奄美大島のおいしさを伝える「元治(もとじ)青果店」、歴史が健在する

奄美大島の中心地、奄美市名瀬。

車がひっきりなしに行きかう交差点近くに、昔ながらの風貌でどっしりとたたずむ青果店があります。

それが「元治(もとじ)青果店」です。

普段は前を通り過ぎるだけのこのお店、実はずっと気になっておりました。

島バナナがたくさんぶら下がっていたり、色鮮やかな島の果物がいつも置いてあるからです。

今回は小さな青果店が持つ記憶を探ってみましょう。

 

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」

茶目っ気たっぷり、元気ハツラツ!看板女将

 

「こんにちわ~!」

お店の前で大きな声であいさつすると、「はいは~い!」とお店の奥から元気に出てきてくれたのが、元治青果店の看板女将、元治富子(もとじとみこ)さん。

 

「今日は取材と聞いていたので、ちょっとお洒落してきたわよ!」と笑顔。なんともキュートな第一印象です。

富子さんは、鹿児島県大島郡龍郷町の円(えん)という集落の出身。旦那様に出会えたから今があるといいます。

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お店に少し滞在しているだけで、看板女将の富子さんとお客さんの元気なやりとりが見られます。

 

たまたま通ったお客さんが、

「あら、こんな綺麗なラッキョウ見たことない!内地にいる娘が好きだから買って送ってあげたい」と一言。

ラッキョウは地場産で、富子さんが土を落として処理をしているので、少し洗ってそのまま塩昆布とカツオ節であえるだけで、酒の肴の一品が出来るとのこと。富子さんが丁寧にレシピまで教えてくれるので、有難いです。

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」

らっきょうをご購入~!ありがっさまりょーた!

 

またちょっとすると、「こんにちわ~!」とお客さん。

島しょうがを買いにきたそうですが、店内をざっと見まわして、あれやこれやと次々にご購入。

島しょうがはそのまますって使えるし、お魚等の料理に入れると臭み消しでより美味しくなるよと教えてくれました。

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」

商品に富子さんたちがひと手間加えて販売しているものもあります。

沖永良部島産落花生。これまで見たことないくらい大きく、殻付きのままとむいているタイプがありました。

殻をむいているタイプは、なんと夜な夜な富子さんご夫婦が殻をむいて、袋詰めしているそうです。

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」

さまざまなお客さんに対し、元気なおしゃべりでおもてなしする富子さん。また、ただ青果物を販売するだけでなく、お客さんが購入後に食べやすいように下処理してくれていたり、様々な調理方法を教えてくれたりするのも愛される理由のひとつだと思います。

「食べる」ところまでフォローすることで、「元治青果で買って、美味しく味わった」というイメージがつきやすいのかもしれません。

もちろん、スーパーの方が品数も多く安価に手に入ることがあります。けれども、富子さんとお客さんの会話を聞いているうちに、「お客さんと相対して商品を売る、お客さんに喜んでもらう」という、とてもシンプルだけど当たり前のことが、今の時代にとても大切なのではないかと感じました。

 

奄美大島の約70年の歴史が詰まっています

 

実は元治家では、昭和22年からこの場所でお店を営んでいたそう。はじめは食料品店、衣料品店を経てその後青果店になったということで、実に約70年、この場所で商売をしているといいます。

その長い歴史についてお聞きしました。

 

昭和22年といえば、奄美群島はまだアメリカ軍政下にあった時代。日本本土との交易は禁じられていたので、密貿易で奄美群島からは黒糖を、本土からは食料品を手に入れていたといいます。

当時は「元治食料品店」として、お味噌や昆布、お茶等の生活に必要な物を売っていたそうです。

昭和28年に奄美群島が日本に復帰し、本土との行き来が自由になった頃から衣料品店に営業内容を切り替えました。当時は赤ちゃんのおしめカバーやガーゼ、肌着や布団カバー、制服や作業着等と、モノが無い時代だったので、ありとあらゆる衣料品を扱うお店だったそうです。

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」

今と違って、当時はもっと人が多く、モノは何でも売れる時代。

嫁いだ後に活気あふれる時代を見てきた富子さんは、「元治家に嫁いで今がある。当時から見ていたけど、旦那のお母様はとても頑張りやさんで一生懸命仕事をする人だった」と思い出を語ってくれました。

時代の流れを身に染みて感じ、また富子さんが丁寧にこのお店の歴史を教えてくれるので、奄美大島のことを知れる貴重な時間でした。

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」そして月日は流れて平成6年、元治青果店に切り替えて今に至ります。

青果店になり、現在二代目。富子さんの気配りと人懐っこさ、愛嬌が今の元治青果店を支えているのだなぁと感じました。

 

時代の変化に応じて、職種は生まれたり廃れたりする。

廃れるのが悪いことではなく、次のステップとして変化に対応し、生きてきた”リアル”が聞けました。

 

元治青果店の今に至るまでの成り立ちをたくさん聞いて、よりこのお店のことを好きになり、富子さんに会いに来たいと思いました。

 

奄美大島の季節感漂う果物や島野菜をご紹介!

奄美大島は、秋がありません。暖かい日は25度前後、太陽が出ていればとても暖かく感じます。ただ、今年は台風が多かったため、果物もお野菜も平年より少し遅めに店頭に並んでいるそうです。

 

それでは、奄美大島のおすすめの果物と島野菜をご紹介します。

 

~季節感があるお野菜編~

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」・龍郷町大勝のマコモダケ

マコモはイネ科の多年草。大きくなった茎の新芽だけが食べれる部分。しゃきしゃきとした食感とほんのりした甘さが特徴。天ぷらや炒め物、お味噌汁にもGOOD。

 

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」・沖永良部島産の落花生

奄美群島である沖永良部島産。種類によっては9月頃から11月頃に収穫。元治青果店にあったのは実がとっても大きく、元治夫妻が殻を割ってくれています。(※殻むきはとても大変だったそうです)

 

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」・島らっきょう

島らっきょうは昔から薬用植物をとして食されていて食物繊維が豊富で、疲労回復や滋養強壮の効果があります。少し小さめですが、下処理をし塩漬けや甘酢漬け、チャンプルーや天ぷら等の様々な調理方法を楽しめます。

 

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」・島しょうが

辛味成分の強い奄美の島しょうが。佃煮にしたり生姜湯にしたりと、体を温めて便秘解消やむくみ防止などの効能あり。

 

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」・冬瓜(島口:しぶり)

夏野菜ですが、風通しの冷暗所に置けば冬まで持ち、柔らかく淡泊でサラダや煮物や天ぷらがおすすめ。

 

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」・クビ木

奄美大島ではクビ木の木片がネットに入って売られている。つる性のツルグミという常緑低木で、健康維持の為に煎じて飲まれています。

 

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」その他にも、ホウレン草やトマト等のお野菜もお買い求め出来ます。

 

~南国感漂う果物編~

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」・ドラゴンフルーツ

サボテン科の多肉植物でビタミン、食物繊維、ミネラル等の美容成分を多く配合している。花が咲いて実が出てというサイクルで収穫、夏から冬にかけて店頭に並ぶ、いかにも南国フルーツ、といった外見です。

 

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」・島バナナ

今年は台風の塩害などで少し時期が遅かったそう。緑色から黄色がかったら食べ頃。

島バナナは収穫時期が限られていて6月から11月頃まで。特に最盛期は7月から9月の真夏。

 

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」・シークワーサー

奄美大島にもシークワーサーは収穫でき、少し小ぶりですがが絞って使っても良いし、はちみつを入れてジュースにするのもおすすめ。

 

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」・パイナップル

奄美大島のパイナップルは、夏から冬にかけてが時期。これもまた南国のフルーツ感満載で美容と健康に良い栄養がたっぷり含まれています。

 

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」・島あずき

綺麗な紫色した島あずきは、「赤いダイヤ」と言われるほど貴重。香りと風味が特徴で、お赤飯にするのが荷崩れしないのでおすすめ。

 

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」

奄美大島はたくさんの種類の柑橘類があります。ぽんかんや奄美みかん、喜界みかん。特に冬場の2月頃になるとタンカンと、色々な柑橘類が楽しめてお店に並びます。

 

もちろん、南国フルーツの代表・マンゴーも毎年取り扱っていますが、時期である8月から9月にかけては大人気なので、注文はお早めに!

 

彩り豊かな果物が豊富、奄美旅行のお土産に全国発送も可能!

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」

元治青果店では、全国に発送が可能です。

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」

もちろん、お電話での対応も受け付けています。

お店に立ち寄って気になる果物やお野菜があれば送っても良し、日持ちするものであれば、その場で購入しても良し。

 

奄美大島ならではの色とりどりの果物や野菜たち。地場産の栄養価が高い果物やお野菜を食べて、元治青果店の女将のように元気ハツラツな毎日を送りましょう!

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」

地元の方にも観光客にも愛され、奄美大島名瀬の歴史と文化が健在する元治青果店。

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」

ぜひ一度お立ち寄りください。きっとリピートしたくなるはず!

 

スーパーとは違う”シンプル”だけど大切な事と、奄美大島の歴史が健在する「元治(もとはる)青果店」

取材のあと、私は「マコモダケ」を購入!早速、おすすめレシピの天ぷらにして美味しく食べました♫

元治青果店

住所:〒894-0023  鹿児島県奄美市名瀬永田町9-3

TEL:0997-53-8715

※全国へ野菜・果物の発送可能!

この記事を書いたフォトライターPHOTO WRITER

フリーライター/ダンス講師 大阪市出身 バリバリの関西人でシティガール。2017年8月、大阪を離れ奄美大島へ移住 祖母が徳之島出身の奄美3世。現在はフリーライターと奄美のSoulstampダンススタジオ(https://www.soulstamp-ent.com/)にてダンス講師を行う。 奄美諸島の島人と自然に触れながらTLWorks(https://www.tlworks-japan.com/)自身のブログで、テクノロジーと奄美諸島の魅力を発信中。

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