島唄を記録して60年!オリジナルレーベルで島の唄文化を支える「セントラル楽器」

奄美の老舗音楽ショップ、セントラル楽器の三味線コーナー

奄美の島唄を知りたい、聴きたいと思ったら、まずは奄美市名瀬の中心商店街にある「セントラル楽器」を訪れてみてはいかがでしょうか。

こちらは、楽器の販売や音楽教室を開催している老舗音楽ショップ。店内に入ると三味線やチヂン(島太鼓)、ピアノなど楽器類のほか、CDやテープがずらりと並んでいます。

しかし実は、このCDやテープはどこでも買えるものではありません。島の唄を一つひとつ自ら録音して製作した、自主レーベルのものなのです。

 

蓄音機でスタートした「島唄を形に残す」こと

セントラル楽器自主レーベルのCDやテープ

奄美の島唄は生活のなかで歌い継がれてきたもの。唄者はプロの歌い手ではありません。楽譜もなく、歌詞はその場の即興で生まれていくというスタイルもあって、”レコードを作って販売する”という認識はそもそもなかったようです。

しかし、唄好きの母のために趣味で唄を録音していた創業者の指宿(いぶすき)良彦氏が、「島唄を形に残していこう」と、昭和31年ごろから島唄のレコード化に着手。

当時の録音機材は蓄音機で、民家がスタジオ代わり。車が通るたびに何度も録り直したといいます。

 

あの有名シンガーのデビュー前音源も!

昭和31年ごろから始めた島唄音源化は奄美島唄の歴史そのもの(セントラル楽器)

店頭に並んだCDやテープは、まさに奄美島唄の歴史そのもの。

すでに亡くなっていて、もう決して生では耳にすることはできない、名唄者の唄。

奄美島唄を代表するベテラン唄者たちが、若かりしころに披露したまだ未熟な歌声。

ポップス歌手として成功を収めた、元ちとせさんのデビュー前15歳のときの島唄音源。

3代目社長・指宿俊彦さんは、「島唄のCDはよく売れる、という類のものではない。けれども、この人の唄は残さなくてはいけない、という思いで録音を続けてきた」と話します。

ちなみに昔の音源はデジタル化して、iTunesでも販売しています。

セントラル楽器、楽器部品も販売しています

 

 次なるプッシュは「奄美歌謡」

昔も今も奄美の唄文化を下支えするセントラル楽器ですが、今、島唄以外に力を入れているのが「奄美歌謡」です。

奄美のことを書いた曲を、奄美の歌い手が歌う「奄美歌謡」。極めてローカルであるがゆえに出身者の愛郷心をくすぐってやまない歌の数々は、特に50-60代に大人気です。

この奄美歌謡のCD製作・販売を行っているほか、大会も開催し人材発掘も積極的に進めています。

こうして製作してきたセントラル楽器の自主レーベルレコード・CD・テープは、これまでに200タイトル以上、1500曲にのぼります。
ぜひ手にとって、自らの耳で愛すべき島の唄文化に触れてみてくださいね。

セントラル楽器のスタッフさん

株式会社セントラル楽器

住所:鹿児島県奄美市名瀬末広町1-20
TEL:0997-52-0530
営業時間:10:00~19:00
定休日:なし(1/1は休業)

この記事を書いたフォトライターPHOTO WRITER

ライター/しーまブログ編集長。東京都出身。大学時代に訪れた与論島にはじまり、縁あって奄美大島の新聞社に新卒で就職。さらに縁あって島人と結婚し、自らが島人となり奄美に完全に根を下ろす。フリーライターなどを経て2014年にしーまブログに入社し、現在に至る。

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