奄美を開いた神が舞い降りた場所、笠利町節田のパワースポットを歩く!

島遊

2019/01/31

ペン

勝 朝子

奄美の節田のパワースポット巨石

奄美は鹿児島県の島のひとつですが、県本土とは異なる文化が多く見られる島です。また、そんな奄美の中でも、集落が違えば文化も異なり、それぞれの集落の中で固有の文化が今もなお色濃く残り、現在の生活に息づいています。
でもそれぞれの集落の中は、そこに住む知り合いがいないと、奄美に住む私たちでさえなかなか入れないものです。

今回、私は、そんな秘密めいた集落の伝統や文化を、集落の方の案内とともに巡るツアーに参加してきました。

奄美大島の北部、奄美市笠利町の節田(せった)集落で開催されている「節田立神(せったたちがみ)から阿摩美姑(あまみこ)神社をめぐるパワースポットウォークin節田」のツアー内容をご紹介します。

 

集落の方による歴史と文化をつなぐ集落案内

奄美空港から南へ車で約5分。奄美パークを過ぎてしばらくすると左手に「奄美市ひと・もの交流プラザ(味の郷かさり)」があります。ここが集合場所。駐車場もトイレもあって便利です。

奄美市ひと・もの交流プラザ

このツアーは、節田立神(せったたちがみ)と阿摩美姑(あまみこ)神社という2大パワースポットを中心に、集落での暮らしや背景にある文化を探るプログラムです。

 

今回の案内役は、節田集落の区長の朝 郁夫(あさ いくお)さんと前田 寿子(まえだ ひさこ)さんのダブルキャスト。今回は不参加の緒方 加世子(おがた かよこ)さんを含め3人でツアーの案内役を引き受けているそうです。

節田に詳しい区長の朝郁夫

節田集落の区長 朝 郁夫(あさ いくお)さん

節田海岸周辺を歩きながら集落の紹介がスタート

 

集合場所のすぐ裏は、きれいな白砂が広がるビーチ!すぐに下りたいところですが、まずは海近くのカミミチを歩きます。カミミチとは神様が通る道(神道)のこと。この記事の後半で詳しくご紹介します。

カミミチを歩いたら、途中で浜に下りて立神に向かいます。

山がちな奄美大島の中では珍しく平地が広がり、農業も畜産などの産業も盛んな節田集落は、昔から人の集まるにぎやかだった集落だったそうです。

海岸を歩く節田ウオーク

この浜は、集落の行事の「舟漕ぎ」にも使われている穏やかな浜。

昔は、お隣の喜界島から農耕馬として運ばれてきた喜界馬が走る競争もおこなわれていたそうです。

海岸の石をながめる男女

しばらく歩くと、大きな岩がゴロゴロとした風景に。
ここは、昔の石切り場跡。今もクサビの跡が残っています。

 

海岸の巨石を眺める女性

巨岩がゴロゴロ。長い年月をかけてできたポットホールと呼ばれる不思議な形の穴が開いている岩もあります。岩のあまりの大きさは別の惑星に来たかのような風景。ただただ圧倒されます。

 

またしばらく行くと、第一のパワースポット、節田立神です。車で海沿いを走っていても気付くほどの大きさです。とても目立つシンボルですね。

奄美市笠利町節田の立神

遠くから見ていても大きいですが、近付くと驚くほど巨大な岩です。高さはなんと約20メートル!
なぜ「立神」というのか、それは・・・ツアーで質問してみてくださいね。

 

そして、いよいよ集落のなかへ

海岸から国道に戻ると、集落の魚屋さん「浜崎鮮魚店」が見えてきます。ご主人が漁で獲ってきた魚は、午後くらいからショーケースに並びます。魚の入荷があるかどうかの目印は、店の前のノボリ。ノボリが立っているときは「魚、あるよ」の合図です。

浜崎鮮魚店

浜崎鮮魚店は、魚が無いときも近所のおばあちゃんたちがお店の前に座っておしゃべりする憩いの場所になっています。

集落内のお家には、先ほどの石切り場で切り出された節田石を使ったとても立派な門柱や石垣が見られます。

集落の門柱や石垣

 

奄美をつくった神様を祀る阿摩美姑神社

休憩を終えて、次は阿摩美姑神社へ。ツアー第二のパワースポットです。
アマミコという奄美をつくったと伝わる女の神様を祀ってあります。この神様についてのお話も、ツアーで聞くことができますよ。

節田の阿摩美姑神社

節田の阿摩美姑神社を参拝する女性

 

集落の中で神道(カミミチ)探し

いよいよ集落内に入りこんで細道を探検。変わったところに階段があったり、玄関に魔よけの貝が置いてあったり、変わった植物があったりと、数メートル歩くだけで発見の連続。次はどんなものがあるのかなとワクワクします。

集落によってこういう風景が違うのも面白いですね。

節田集落で特徴的だなと思ったのは、ゆるく曲線を描いた塀や壁があること。何カ所かありましたので、探してみてください。

節田集落散策をする女性たち

家の壁と壁の間に不自然な空間が。と思ったら、そこがカミミチ。
神道(カミミチ)とは、集落の神山(カミヤマ)から浜までを結ぶ、神様(カミサマ)の通る道。カミサマが通る道なので、塞いではならないのです。家々の間をぬって、浜へと続きます。

節田集落の神道

教えてもらわないと見過ごしてしまいますが、こんな空間にもストーリーがあるのですね。
ちなみにカミミチを挟む壁の隣にある木の枝のようなものは、奄美ではよく見かける門松です。ツアーに参加したのが正月の時期だったため、このような珍しい光景も見ることができました。

 

生垣や石垣にも南国らしさが

集落の中では、綺麗に手入れされたお庭や、色とりどりのブーゲンビリアや生け花にも人気のクロトンを使った生垣など、南国らしい植物もたくさん見かけます。
ガーデニングや生け花が好きな人には、そんな楽しみもありますよ。

色とりどりの花が咲く石垣

 

節田集落のパワースポットは、まさに奄美をつくった神様と関係のある場所。
そして、それらは集落で暮らす人々の暮らしと密接に結びついています。

そんなお話を聞きながらパワースポットを巡ると、神様のパワーを頂けそうな感じがします。
節田集落でのパワースポットウォーク、体験してみませんか?

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この記事を書いたフォトライター

勝 朝子

勝 朝子

Webクリエイター、ITサポーター、奄美大島紬のポケットチーフ「フィックスポン奄美」代表。東京出身。縁あって奄美大島出身の夫と結婚。以来毎年奄美大島を訪れ、2012年奄美大島に移住。奄美の自然、人、文化、食べ物が大好きで、島の隅々まで日々探検中!

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