【HOW TO 奄美水中写真;vol.1】クジラと泳げる奄美の海を本当に楽しむ方法は?

島遊

2019/03/19

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くらげねこ

奄美大島は、日本の中でも珍しい、ホエールスイムのメッカであることを皆さんご存知ですか?
船上からの観察だけではなく、一緒に泳ぐことが、時にはできるのがここ奄美のホエールスイムです。

奄美大島で体験できるホエールスイム

奄美大島でのホエールスイムのシーズンは、例年1月中頃から3月末頃まで。シーズン初めからクジラの数は少しずつ増えていき、最後は、少しずつ減っていきます。少しでもクジラと遭遇する可能性を上げたいならば、ベストはシーズンの真ん中あたりです。

回遊するザトウクジラは、この時期に子育てや繁殖のために、日本では、沖縄や奄美群島、小笠原、八丈島などの暖かい場所に毎年集まってきます。子育てのためにやってくるので、出会えるのは親子の2頭クジラが多いのですが、中には繁殖相手を探すオスのクジラもいます。メスのそばに寄り添うオスのクジラは、エスコートと呼ばれています。ちょっと、おしゃれでステキですよね。

ホエールスイムをするには、まず、ホエールスイムを行っているマリンガイドさんに予約をするところからスタート。 必要なものは足ヒレ、マスク、シュノーケルの3点セット。あと、ウエットスーツは必須です。持っていない人はお店でレンタルを頼んでおきましょう。
水着を着たら、その上からは濡れてもいい服でしっかり防寒を。
南国・奄美大島といえど、この時期の船上は大変寒いです。
外洋に出ると船も大きく揺れますので、慣れていない人は酔い止めを飲んでおいてください。

船に乗り込んだら、まずは、クジラを見つけることからスタートします。
当然ですが、海の中にいるクジラは自然の生き物。どこかに囲われているわけではないので、まず、広い海の中からクジラを探さないといけません。

奄美大島で体験できるホエールスイム

水面から出る息継ぎをする顔や背中、潜る時に見える尾びれなどを目指して、船上にいる全員で探します。
海をよく見ていないと見つからないなんてこともありますので、全員で手分けして探しましょう。
また、発見できても人との接近を嫌がる場合があります。クジラのほうが嫌がるようなら水中での出会いは諦めて、遠くからの観察にとどめましょう。無理やり近寄るのは、野生動物相手ではマナー違反です。

奄美大島近海を泳ぐクジラの尾びれ

そもそも、クジラに嫌がられては海に入って人間が本気で泳いでもまず追いつきません。「滅多にない機会だから」とつい、クジラに対してガツガツしてしまう気持ちもわかりますが、クジラも人間と同様に、無理強いされたり、嫌がっているのに執拗に追いかけられたりするのは、あまり、好まないのではないかと思います。

余裕を持って、「またいつか会えるといいな」という気持ちで、クジラに対してゆったりと接すれば、いつかは、「人間は怖くない、何もしない」と思ってくれて、心を開いてくれるかもしれません。

せっかく、美しい海でクジラと出会えたのだから、お互いにとっていい関係性を保ちたいもの。

もし、出会ったその時には一緒に泳ぐことが叶わなくても、「また会えるといいな」という気持ちで、やさしく手を振り、見送ってあげましょうね。

そんな風に、海上での出会いと別れを繰り返していると、そのうち人間をあまり気にしないのんびりしたクジラに遭遇することがあります。しばらく様子を見てクジラが受け入れてくれそうならば、船長の指示を待って海に入る準備をします。
海に入る準備をしてスタンバイ。
本当に寒いので、その点は覚悟して行きましょう。

船長がうまく船を操船して、クジラが出るタイミングに合わせてくれます。
合図をよく聞いて海に入りますが、「船の前」「右側」など指示を出してくれるのでその方向に行きましょう。闇雲に泳いでもクジラは見つかりません。水面近くで待機している人と船長では目線が違うので、船長の指示で方向を定めるのが間違いないのです。

奄美大島近海を泳ぐクジラ
最後に、ホエールスイムをするときに覚えていてほしいコツがひとつ。それは、泳ぎ方です。

全力でバシャバシャ泳ぐと、どうしてもクジラは嫌がります。クジラは繊細な生き物と言われるだけあり、水面を叩く音が嫌いなのかもしれません。「もっと近づきたい!」と思う気持ちもわかるのですが、つい慌てて大きな音を出してしまうと、クジラはスーッとスピードをあげて潜ってしまうか、方向を変えていなくなってしまうのです。

ですので、泳ぐ時には、足ヒレを水面から出さずに水をかくようにして、クジラが見えたらぷかぷか浮かんでいるくらいにすること、そして、急いで無理に近づこうとしないことをおすすめします。

慌てず、ゆっくり、「出会いを大事にして、一緒に楽しもう。」

奄美大島近海を泳ぐクジラの親子

そんな気持ちでいると子どものクジラが興味を示して近寄ってきたり、親子でのんびり一緒にうかんでくれたりすることもあります。
ホエールスイムのコツは、慌てず、落ち着いて、クジラの気持ちを大切にすること。

クジラをびっくりさせないように、落ち着いて一緒にホエールスイムを楽しみましょうね。

 

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この記事を書いたフォトライター

くらげねこ

くらげねこ

2013年より奄美大島に居つき、農作業をしながら主夫業をしている。趣味のダイビングは10年以上で潜水士の資格と船舶免許持ち。水中写真を中心とした色々な写真を撮るのが好き。

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