【HOW TO 奄美水中写真;vol.2】大島海峡で楽しく安全に水中写真を撮るには?

島遊

2019/05/10

ペン

くらげねこ

素晴らしい奄美の海。

泳ぐだけでは物足りない!というあなたへ、楽しく簡単に水中写真を撮る方法をご紹介しています。

1回目では冬の人気アクティビティ、ホエールウオッチングでのクジラの撮り方について説明しました。

【HOW TO 奄美水中写真;vol1】クジラと泳げる奄美の海を本当に楽しむ方法は?

 

2回目となるこの記事では、写真の撮りやすいおだやかな海・瀬戸内町の大島海峡を舞台に説明していきたいと思います。

「大島海峡」とは、奄美大島と、その少し南にある加計呂麻島の間の海峡のこと。

ふたつの島の間に挟まれているため、両方の島が天然の防波堤になっていて、非常に静かな海です。世界で奄美近海でしか発見されていない、アマミホシゾラフグなどの固有種もいて、水中写真を撮るには絶好の場所となっています。

強い流れなどがあまりないので、初心者ダイバーも安心な大島海峡。ゆっくりまったり、水中写真を撮ってみましょう。

 

水中写真を撮るのに必要なもの、どうそろえる?

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ダイビングライセンスについて

水中写真はシュノーケリングで撮ることももちろん可能です。しかしもしじっくり撮影をしたいなら、ダイビングのライセンスがあるとなおいいでしょう。

「Cカード」と言われるライセンスを取得すると、体験ダイビングでは潜ることのできない深さまで行くことができるようになります。その場合、「ダイバーの履歴書」とも言われる「ログブック」を持参するのも忘れずに。どんなダイビングをしたのかの記録にもなり、思い出にもなります。

ダイビングに必要な機材は、ご自分で持っていない場合はダイビングショップを予約する時にレンタルをお願いしましょう。ダイビングショップの予約は、大体ひと月前くらいにはしておくのがベター。機材の用意や船の準備など、ショップ側もいろいろと準備が必要です。当日にいきなり「今日できますか」っていうのは、残念ながらまず無理なので、余裕を持ってスケジュールを決めましょうね。

 

カメラについて

水中で使うカメラは2種類。①普段使っているデジカメに防水プロテクターをかぶせて使用するか、②最近各カメラメーカーが販売し始めている、ケースがなくても水中に持ち込めるカメラを使用するか、です。

気軽に使えるのは、「②ケースなしで水中に持ち込めるカメラ」ですが、①デジカメ+防水プロテクターだと、装備を自由に拡張していくことができるのがメリットです。

「水中写真を極めたい!」という方にはカスタム可能な①をオススメします。ストロボをつけたり、ライトを増やしたりとステップアップすることができるので、自分の技量に合わせて追加していくといいでしょう。

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そんなふうに自由に拡張していくと最終的にはこうなります。
(大変重たいです……)

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今回、私が使用したセットは、ミラーレス一眼と防水プロテクターにストロボ1つをカメラの頭につけたもの。

レンズは、標準ズームレンズを使います。ストロボは必須ではありませんが、水中では太陽光の色が抜けて青くなってしまいますので、ちゃんとした色を表現したいときはストロボがあったほうがきれいな写真が撮影できます

 

その他装備も忘れずに

海の上、また海のなかに長時間いる写真撮影において、体を守るきちんとした装備は欠かせません。

日焼け止めとサングラス、酔い止めなどもあるとよいでしょう。また、天気がいいと、白目が日光でやられて充血してしまうことがあるのでサングラスは必需品。特に目を使う写真撮影では目を大事にしたいですよね。

 

いざ、撮影!安定した姿勢が大事です

 

 

準備が整ったら、撮影に入りましょう。

水中でも陸上でも、写真撮影の基本は同じ。

しっかりピントを合わせる。
手ブレに注意してカメラを固定する。

この2点をしっかりと意識すると、写真の出来が変わってきます。慌てて撮った写真は、珍しい魚が写っていてもなんかイマイチだったり、水中でワタワタして魚に逃げられたりするものです。

 

被写体を見つけたら、カメラを固定

危険な生物やサンゴなどがないかを確認して、岩などにつかまるか、砂地なら着底しちゃいましょう。中性浮力(水に浮きも沈みもしない状態)での撮影はオススメしません。カメラに夢中になっていると浮力調整が疎かになるもの。急に浮上するなどの事故のもとですので、まずは安定した姿勢をとれる場所での撮影をオススメします。

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ピントをあわせて撮影。微調整が大事!

身体を固定したらゆっくりと被写体にカメラを向けて、じっくりとピントを合わせます。水中だと、シャッター半押しの感覚がわかりにくいですが、慌てずゆっくり、半押しでピントを合わせて、シャッターを切ります。

そして、撮影した画面を確認して微調整をしましょう。

被写体が影になってませんか、光は当たってますか?角度はどうでしょう?

3~4枚くらいで、撮りたい魚がうまく納まるように角度や光の加減を詰めていきましょう。

 

実際の写真でレクチャー

私が撮った写真で見てみましょう。

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一番写したい魚の群れがまだ画面左にいる状態。

少しタイミングが早かったようです。もうちょっとだけ魚が来るのを待って、もう一枚。

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真ん中付近に収まり、満足行く構図になりました。

 

次にダイビングの人気者、クマノミのペア。

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かわいいのですが、光が届きにくい下のほうを泳いでいて、ちょっと暗いイメージ。

カメラ位置をクマノミより下にして、クマノミを見上げるように撮影すると・・・

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いかがでしょうか。随分と写真のイメージが明るくなったのではと思います。

 

ゆったり楽しんで撮影を

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あまり長時間撮影すると、魚にもストレスがかかりますし、一緒に潜っているほかの人も同じポイントで撮影をしたいかもしれません。譲り合いの精神で周りにも気を配りましょう。

また、水中では、陸上にはない事故もおこります。ダイビングガイドや船長の話をよく聞いて、撮影に夢中になりすぎず、ゆったりとした気持ちで楽しみましょう。

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いろいろ工夫をして、撮りたい写真が撮れた時の喜びは格別なもの。
水中写真を撮るようになると、海に潜る楽しみがさらに増えますよ!

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この記事を書いたフォトライター

くらげねこ

くらげねこ

2013年より奄美大島に居つき、農作業をしながら主夫業をしている。趣味のダイビングは10年以上で潜水士の資格と船舶免許持ち。水中写真を中心とした色々な写真を撮るのが好き。

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