奄美にいるもう一人のお節介「寅さん」花井恒三さん

島人

2016/05/16

ペン

しーまブログ編集部

 

「奄美のトラさん」こと花井恒三さん

国民的人気の映画「男はつらいよ」。

テキ屋稼業を生業とする「フーテンの寅」こと車寅次郎が、困っている人に何かと世話を焼き、大騒動を起こす人情喜劇シリーズ。
そんな寅さんが奄美にもいる。

通称「奄美のトラさん」こと花井恒三さんだ。

花井さんは無償ボランティアで、奄美にツテがない「奄美に移住したい人」、「奄美を研究したい人」、田中一村のように「奄美で自己表現をしたい人」の入り口案内を買って出ているまさに奄美の寅さんなのだ。
そんな寅さんを慕ってこれまでいろんな人が彼のもとを訪れたという。

「奄美のトラさん」こと花井恒三さん自宅の表札

ご自宅の門にも「奄美のトラさん」の表札が飾ってある。
花井さんは奄美市役所で35年間、観光客を呼び込むための企画や、奄美への移住を希望する人の案内・サポート業務などに長く従事。
退職後は「団塊の世代が作る無償ボランティア、奄美のトラさん」として奄美の活性化のために日々奔走している。

「奄美のトラさん」こと花井恒三さん

 

島外の人々との繋がりは最新の情報に触れる絶好の機会

「公務員時代はどんな人とも公平に接しなくてはならなかったから、退職してからは一個人として好きな範囲でできる活動をしようと思ってね。島外の人からの生の新しい情報に触れる絶好の機会でもあるしね」。と好奇心旺盛な花井さん。

ボランティアにこだわるのは、これをビジネスにするとお金と比較されてしまいそうで嫌だから。自分の活動で奄美の人口が増え、経済が大きくなれば嬉しいことだと話す。

「奄美のトラさん」こと花井恒三さんの自宅の庭
▲理想的なゆとりのある島の暮らしを体現している花井さんのご自宅。

花井さんはボランティア活動や講演執筆活動を行ってきたが、その活動には一つのテーマがあるという。

 

テーマは奄美経営!比較文化によるこれからの奄美を考える。

退職後も島のために精力的に活動している花井さんだが、奄美経営をテーマにこれからの島の進むべき道を考え行動している。

「奄美と東京や沖縄を比較する。さらにヨーロッパや世界と比較をする。比較することで奄美の方向性が見えてくるんだ。そして東京や沖縄と逆の動きをすればいい。そうすれば奄美の価値が出てくると思うよ」。と花井さん。
東京や沖縄と同化しない戦略。これができると、“東京や沖縄からも必要とされる奄美”という方向性が見えてくるそうだ。

「奄美のトラさん」こと花井恒三さん自宅の本棚
▲本棚に所狭しと積まれた書籍。日頃の研究熱心さが伺える。

花井さんのお宅を訪ねてくる人の中には移住を考えてくる人も多いという。
「島で暮らすにあたってのメリットデメリットをしっかり聞いてもらいますね。
正直なところ島に向いてないなぁ~と思う人もいてね、こっちは誰でも島に招き入れて人口を増やしたいというわけではないからね。僕が最初の面接官になっているんだよ」と笑いながら話す。

本物の寅さんの遺作「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」は奄美大島が舞台。
奄美の寅さんは、今日もマドンナ(困っている人)のために、あちこちでお節介を焼きながら島のために奔走している。

 

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2010年に誕生した、シマを愛するすべての人々のための奄美群島地域情報サイト。日々あがってくるシマッチュたちのブログを主軸に、編集部が取材したグルメ・不動産・仕事・イベントなどの情報まとめなどを掲載。フリーペーパー「みしょらんガイド」「amammy」も配布中!しーまブログ

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