宇検村芦検集落で、伝統の当間待ち網漁を体験しました!!

宇検村芦検集落で、100年続いているという伝統漁法「当間待ち網(トウママチャン)」。

普段はなかなか見ることができないのですが、このほど体験ツアーが行われるとのことで、貴重な機会に参加してきました。

 

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雨の予報で心配だったのですが、何とか天気がもちそうでひと安心。芦検当間待ち網組合(川畑直俊組合長)と一般参加の家族連れのみなさんと一緒に、いよいよ待ち網漁の体験スタートです!!

 

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まずは、湾にある神棚に大漁を祈願します。今回はどんな漁になるのでしょうか。楽しみです。

 

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さあ、網を仕掛けます。参加者たちも組合員さんたちのお手伝い。みんなで協力して作業すると、一体感が生まれます。結構大きくて重い網です。流さは300メートルもあるそうです。

いまはナイロン製ですが、昔は縄の網を使っていたそうなので、もっと重かったのかもしれません。

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網を船に積んだ後は、3人のベテラン組合員さんたちが、海の中にL字型に網を仕掛けていきます。息の合ったコンビネーション。みなさん、声を掛け合ってテンポよく網を海に投げ込んでいます。

 

網を張り終わった後は、魚群が入るのをひたすら待つのみです。

「待ち網漁」という名前そのまま。

海の中に設置した網に魚が自ら入ってくるのを待つという実に受動的な漁。以前はこの間、竹細工など手仕事ををして過ごしていたそうですよ。奄美のシマ(集落)に流れるのんびりとした時間と、それでも収穫を得られるという、海の豊かさによって成立する、伝統漁ですね。

 

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見張り台の上で、網に魚がかかったかどうかを見張る役を「トモリ」と言います。トモリの合図があると、みんなで一斉に網を引き上げるのです。

待ち網漁の見張り台

以前、この待ち網漁のシンボル的存在だった松の木の見張り台が、松枯れのために取り壊されてしまいました。このため今は、高さ5メートルの鉄筋モルタル製の見張り台が同じ場所に設置されています。

新しいシンボルとして観光スポットになってくれることが期待されています。私は高いところが苦手なので、ちょっと怖かったですけれどね。子どもたちは楽しそうでした。眺めは最高です。

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さあ引き上げます。この日は雨の心配もあったため、1時間半ほどで引き上げましたが、本来はもう少し長く網を張っておくそうです。

みんなで力を合わせて一気に引き上げます。これまた意外と重労働…!しかし、どんな魚が入っているか楽しみにして、子どもたちも力いっぱいお手伝いしています。

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この日の収穫は3匹。エイとミノカサゴとハリセンボンです。量こそすくないものの、珍しい魚がかかって、参加者からも歓声が。ただし、どれも直接手では触れない魚なのでご注意を。ひととおり観察と記念撮影が終わった後は、そのまま海に帰してあげました。

 

一番魚が取れるのは、夏の大潮のときだそうです。体験ツアーに参加するなら、その時期を狙って申し込んでみるといいかもしれません。

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最後はみんなで記念撮影。

 

この待ち網漁は、15年くらい前までは集落で日常的に行われていたそうですが、現在これで生計を立てている人はいないそうです。ただし、全国でもめずらしい漁法ですので、観光資源として残していきたいとのこと。

「後継者を育てたい。伝統を伝えていきたいんです。」と、組合長の川畑さんはおっしゃっていました。

 

ふだん出来ない漁の体験ができて、珍しい魚も見ることができて、みんな大満足の体験ツアーでした。みなさんもぜひ一度、体験ツアーに参加してみてください。オススメです!!

 

【当間待ち網漁体験ツアー】

開催日:通年、日曜日

開始時間・所要時間:4時間程度 ※開始時刻や体験時間は要望に応じる

申し込み期限:体験を希望する日の10日前まで

最小催行人数:10名 (最大20名) 体験料:大人2,000円、中学生以下1,000円 (保険料を含む)

予約・問い合わせ:0997(67)2045 (宇検村漁業協同組合)

 

 

この記事を書いたフォトライターPHOTO WRITER

1974年生まれ。O型の乙女座。性格はポジティブ、根拠の無い自信は誰にも負けないと自負している。2012年(平成24年)に千葉県から奄美大島へiターン。妻とふたりで、子育てと島暮らしを満喫中。仕事は必要最低限、出来る限り家族や大切な人たちとの時間を多く過ごすというライフスタイルを基本に、子どもと戯れながら日々を過ごす。最近の悩みは、運動不足と高血圧。

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