奄美のソウルフード「ウワンフネヤセ(塩豚肉と野菜の煮物)」

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ウワンフネヤセ(塩豚肉と野菜の煮物)は奄美大島伝統の正月料理だ。大晦日にウワンフネヤセを食べ、家族そろって新年を迎えるのがシマッチュ(島人)の習わし。ソフトボール大ほどの肉を豪快に盛り付け、野趣味あふれるツワブキを添える。シンプルな塩味は私たちシマッチュの心を揺さぶるソウルフードだ。

以前は、年末になると各家庭で飼育していた豚を解体する風景が見られたが、今では精肉店で塊肉を購入するのが一般的だ。それでも肉の部位ごとに塩漬けされた豚肉を買い求める風景は師走の風物詩だろう。

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「さあ、困った。今年のウワンフネどうしよう?」年も押し迫った頃、我が家に「年末ウワンフネ問題」が持ち上がった。

毎年、我が家のウワンフネを作っていた82歳のオッカン(母)が体調不良で寝込んでしまったのだ。いつまでも元気に違いないと思い込んでいたオッカンのダウンはショックだったが、島料理大好き人間にとって「年末ウワンフネ問題」は看過できない大事件だった。

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ウワンフネは毎年食べているので盛り付けは覚えている。ツワブキも小さい頃から採っていたし皮むきも経験した。豚肉は精肉店に頼めば塩漬けしてくれるはず。なにより料理をすることは嫌いじゃない。ということで、緊急家族会議の結果(消去法的に)、私がウワンフネづくりを担当することになった。

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以下は書き残した素人レシピから。

① 豚肉を注文「ヘラ(肩甲骨・前足)1本・アバラ3キロ・皮付き三枚肉3キロを一日塩」

② 塩漬けされた肉は一晩水にさらし塩抜きをしておく。豚肉はカットせず調理し盛り付ける際に切り分ける

③ 豚の茹で汁は一度こぼし2度目の茹で汁を使用する

④ ツワブキは農業用コンテナ3箱採取し、大鍋で煮た後に皮をむき、水でさらす(ツワブキの皮むき作業は3日間を要した。ウワンフネづくりで最も大変な作業だった)

⑤ 出汁は豚の塩といりこ。野菜はツワブキと大根のみ。国直集落では正月ウワンフネに色物(人参、昆布、厚揚げ等)は使用せずシンプルに仕上げる。

⑥ オッカンのこだわりは肉と野菜を別々に分けず大鍋で一緒に煮ること(肉の旨みを野菜に染み込ます)。

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こうして人生初のウワンフネづくりは終了した。

結果は、、、塩味、風味、歯ごたえ、見た目、すべてが絶妙の出来栄えだった(家族の評判も上々)。

だが食べ終えると自信とは裏腹に無性にオッカンのウワンフネが食べたくなった。

「来年は家族そろってオッカンのウワンフネを食べたい」そう思う2015年の大晦日だった。

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この記事を書いたフォトライターPHOTO WRITER

島おこしプランナー/NPO法人TAMASU代表。故郷の奄美大島、国直集落を愛するあまり会社を辞めNPO法人を設立。奄美大島の自然や文化を活用した島おこし活動に取り組む。現在は地域住民と共に「国直集落まるごと体験ツアー」を開催し集落民一体となったシマ(集落)づくりを目指す。

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