五穀豊穣を祈願する豊年祭・宇検村芦検集落

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五穀豊穣を祈願する祭り

夏から秋にかけて一年に一度、奄美大島宇検村の各集落で「豊年祭」という行事が行われるそう。 五穀豊穣を祈願し、今年の収穫を祝い、また来年の豊作を祈る祭りごとだそうです。

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豊年祭は、古くからの習わしを伝承し、時代により多少の変化はあったとしても現在までその形式を絶やすことなく継承しているとのこと。 今回は、にぎやかだと評判の芦検(あしけん)集落の豊年祭についてご紹介します。 奄美市から宇検村に入り、大和村側へ道を進め4つ目の集落が芦検集落です。

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「振り出し」という練り歩き

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陽が西へ傾いていくなか、海岸近くでは思い思いに一日の終わりを過ごす集落の方々の姿が見られます。 話しに耳を傾けると、豊年祭の「振り出し」に始まり、その際に唄われる曲についてのお話しでした。 「振り出し」とは、会場に向かう行進で、いわば豊年祭のはじまりを告げるもの。どの集落の豊年祭にもつきものの「振り出し」ですが様相はそれぞれに違っていて、特に、芦検集落豊年祭のものは見ものだといわれています。

男性は、子供から大人までまわしを身に着けています。羽織袴姿の「殿様」と呼ばれる男性が先頭となり、続き、鼓(つづみ)を叩く方が4、5人。その後ろを年齢順に力士が続いています。

力士が、威勢のいい声で「ワイド、ワイド、ヨイヤ、ヨイヤ」とかけ声を発し、一声ずつ右に一歩、左に一歩と足を運び、ゆっくりゆっくりと前へ歩を進めていきます。

 

唄い継がれる歌

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力士の後に続くのが、浴衣姿の女性たち。 かかげた両手にタオルを持ち、右へ左へ揺らしながらリズムをとります。 その際に唄っている歌は、「みっちゃれ」という曲。

道をお祓いするという歌なのだそうです。”行先に良き事のみあれ”、と云うような祈りが込められているそうです。 興味深いことに、「みっちゃれ」の歌詞は、奄美伝統の八月踊り唄「ういやま」という曲と同じだとのこと。旅立つ方や帰郷した方が出発する際などによく歌われるそうです。

 

宮道と呼ばれる通り

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振り出しが通る道は、「宮道(ミヤミチ)」と呼ばれています。 奄美大島では広く、「神道(カミミチ)」と呼ばれる通りがあることが知られていますが、「宮道」と呼ばれる通りがあるのは、宇検村でも芦検集落だけです。

宮道とは、昔お宮様を祭り集落の守護神として迎えたときの道であるそうですが、今はお宮は祭られていないとのことでした。

 

相撲や稲すり踊り

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練り歩きは、集落の学生さんたちが作る習わしの蘇鉄のアーチをくぐり、その先にある土俵の周りへと進みます。 その後、土俵上ではちびっこ力士から大人までの相撲の取り組みが行われ、会場は大いに盛り上がりを見せます。

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また、取り組みの合間には女性の方々が伝統芸能である「稲すり踊り」を踊ります。

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豊年祭はまだまだ続き、夜は八月踊りで盛り上がります。

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集落民総出で唄い踊り、笑いあふれる豊年祭。文章だけでは紹介しきれないほどの魅力があるお祭りといえるでしょう。ぜひあなたも集落を訪れ、祭りを体感してみてください。

 

フォト:伊元勇太、福永千景

鹿児島県大島郡宇検村芦検

鹿児島県大島郡宇検村芦検

この記事を書いたフォトライターPHOTO WRITER

セラピスト/エッセイスト。奄美大島出身。奄美の地元紙、南海日々新聞にて2013年から紬随筆を執筆中。島内外の人と人を繋げるイベント等を企画・運営している。奄美黒糖焼酎語り部として、エフエムうけんにて黒糖焼酎を宣伝するための番組を企画、パーソナリティーを務める(2015.3まで)

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