【奄美のお正月】家族で祝う三献とは?大和村大金久の徳さん家Ver.

私が奄美に移住して約8ヶ月。初めて奄美でお正月を迎えました。

奄美には奄美のお正月のすごし方があります。それは地域によって異なることもありますが、今回は大和村大金久に住む徳(とく)さんの家で毎年行われているお正月の行事をご紹介します。

初めての奄美の大晦日

お正月の準備といえば大掃除、正月飾り、料理の準備ですね。

大和村では集落が海岸沿いにあるため、年末の大掃除で、高圧洗浄機を使い家の周りの塩を洗い落とすという風景をみました。また、門松を自作し、それを玄関に砂を盛って刺したり、植木に括りつけたりしているという特徴がありました。

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高倉のある古民家の入り口に、砂を盛った門松がありました。

31日の大晦日、徳さん家にお邪魔して、お餅を丸めるお手伝いをしました。つきたてのお餅は熱いですが、丸めると柔らかくて温かくて、なんだか赤ちゃんを触っているようで気持ちが良かったです。

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子どもたちもお手伝い。熱いお餅を一生懸命丸めていました。

奄美のお正月料理「三献(さんごん)」

年が開けて、元旦。またまた徳さん家にお邪魔して「三献」をご一緒させてもらいました。三献は一の膳、二の膳、三の膳からなるお祝い料理で、儀式の名前のことでもあるそうです。

さっそくお母さんの「おーすんしょうろうー(めしあがれ)」の声で食べ始めます。

一の膳は赤いお椀に入った吸物で魚や海老、蒲鉾、しいたけ、ゆで卵等が入っています。お餅は小さめで、3〜4センチ程度です。出汁はかつお出汁、出汁昆布を使ったしょうゆ味。

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次の二の膳は、白身のお刺身。大和村では基本的に魚をふた切れのようですが、イカやタコ、数の子なんかを出す場合もあるようです。

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そして三の膳は、またまた吸物で、今度は黒い椀になります。豚や鶏などの肉と、冬瓜などの野菜などが入っています。大和村ではイノシシの肉が最高とされると大和村役場が平成20年に発行した「行事食と季節の料理」という本に載っていました。

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この時期、台所は大きなお鍋でいっぱいでした。

お吸い物だから物足りないのでは…と思いきや、具が大きいのでかなりお腹は膨れます。

奄美独特のお屠蘇と塩盛(シュームリ)

三献をいただいたら、次にお屠蘇をいただきます。奄美ではお屠蘇もやっぱり黒糖焼酎。専用の器で、家主がひとりひとりにお屠蘇を注ぎ、今年も健康であるように、今年も頑張るようにと声をかけます。子どもやお酒を飲めない人は下の盃にこぼしたり、頭につけたりするそうです。

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ピカピカの器にお酒を注がれるなんて、子どもにとってワクワクすることでしょうね。

お屠蘇と同時に、昆布とスルメに塩を少しつけたものを、家主から手のひらで貰い受けます。昆布を松に、さきいかを波に例えているそうです。

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箸で昆布とスルメをつまみ、盛った塩をチョイチョイとつけます。

それで終わりかと思いきや、おせち料理のようなご馳走が出てきました。三献に限らずたくさんのご馳走を料理する婦人方に頭がさがる思いです。

翌日2日、徳家ではおじいさんが大工だったので大工祝いをするそうです。他の家では農作業初めの儀式、漁師さんの船のまつりなどが行われるそうです。

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徳家のみなさま、素敵なお正月を過ごさせていただき、ありがとうございました。

内地から移住してきた私にとって、こんな気温の高いお正月は初めてでした。この島で息づいてきた伝統文化に少しでも触れられたことが、とても嬉しかったです。

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2日、国直集落では初泳ぎがあり、天気が良く暖かかったこともあり、子どもたちもキャーキャーいいながら海に入っていました。

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お庭でお餅をついているお宅がありました。少しいただいたらとても美味しかったです。

この記事を書いたフォトライターPHOTO WRITER

新潟県十日町市生まれ。地方紙記者、農業、バックパッカーなどを経て、旅行雑誌や旅ガイドシリーズの編集に携わる。同時に、野外フェスの企画運営や、NPO法人で海外教育支援、震災復興支援を行う。2016年4月から奄美大島に移住。大和村地域おこし協力隊に就任。

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