島の民泊&自然学校!奄美市住用町のヤムラランドで遊んで泊まってきた【前編】

島宿

2017/08/02

ペン

田中 良洋

奄美大島の中部に位置する奄美市住用町には、島の暮らしや遊びを体験できて、さらに島の人の家に泊まる「民泊」ができるところがあります。島の生活を身近に感じられるそこは、まさに島の自然学校。島の中でも特に自然豊かな奄美市住用町だからこそ味わえる体験です。

そんな宿泊と自然や文化体験がセットになっている、楽しいプログラムを提供しているのが、NPO法人すみようヤムラランド すみよう体験民宿「モダマの会」

 

今回は、ヤムラランド すみよう体験民宿「モダマの会」が提供している自然体験のひとつ”タナガ獲り体験”をして、実際に民泊に泊まらせていただきましたので、その様子を前・後編に分けてレポートいたします。

 

そもそも『タナガ』とは?

 

タナガというエビをご存知ですか?

 

奄美大島ではお酒のおつまみとして居酒屋でもよく出されるエビで、正式な名前は手長エビと言います。奄美の方言ではタナガと呼ばれます。

サッと素揚げにするだけでとてもおいしいタナガ。今回は、奄美市住用の川でタナガ獲りをしてきました。

 

お世話になったのは、NPO法人すみようヤムラランドの和田さんと古薗さん

和田さんと古園さん

(左から和田さん、田中、古薗さん)

 

タナガ獲りなんてまったくやったことのない初心者のぼくでしたが、果たしてタナガを獲ることはできたのでしょうか?

 

タナガはどうやって獲るの?

 

奄美市住用町にある川。奄美市名瀬から瀬戸内町方面に国道58号線を下って行くと、途中で宇検村に向かう曲がり道がありますが、その曲がり角の近くの川でタナガ獲りをしてきました。

用意するものは、先に網がついた棒とバケツ、そしてぬかです。ぬかがタナガをおびき寄せる餌になります。

川にどんどん入って行くので、濡れてもいい服装も必須です。

タナガ獲り

タナガは川の中央にはおらず、川の脇の隠れる場所がたくさんあるところにいます。下流から、タナガがいそうなところにぬかを投げて様子を見て、いなければ上流に進んでまた探す・・・

1箇所ポイントを見つけると、数十匹固まっていることがほとんどです。住用の川はとても澄んでいるので、上からでも十分水の中が見えます。ちなみにこの写真は水の中の写真ですが、どこにタナガがいるか分かりますか?3匹のタナガがいます。

タナガ獲り

 

見つけられましたか?正解はコチラ。

タナガ獲り

色が透明がかっているので、一目見ると分からなかった人もいるかもしれません。

こんなの、川の中で見つけられるの?!と思う人もいるでしょう。

安心してください。じーっと目を凝らすと、だんだん慣れてきます。水に漂うタナガの姿がすぐに見つけられるようになります。ただし、少し水面に波が立つだけで見つけにくくなってしまいます。探すときは焦らず、ゆっくりと探しましょう。

 

見つけたら網でそっと捕まえます。このとき、タナガの正面から網を持ってきてはいけません。タナガは危険を感じると後ろに逃げる習性があるので、お尻の方から網を近づけていきます

セミ獲りのような要領で、タナガの上に網を被せます。なるべく平らなところで網を被せるのがポイントです。下がデコボコしていると、隙間から逃げてしまいます。

奄美市住用のタナガ獲り

 

うまく網を被せられたら網を持ち上げるのですが、初心者はここで網を横に回転させてしまいます。しかし、横に回転させるとわずかな隙間ができて逃げられてしまいます。コツは、網の中でタナガが暴れているときに手前に網を引くことです。そうすると逃げ場がなく簡単に捕まえられます。

 

タナガ獲りの結果はいかに?!

 

気がつけば2時間も川に入っていました。

まったくの初心者のぼくの結果をご覧ください。

NPO法人すみようヤムラランド

 

30匹は獲れたでしょうか。初めてにしてはなかなかの結果だったと思います。

コツがつかめれば初心者でもこのくらい獲れるのが、タナガ獲りの魅力です。

しかし、ベテランの和田さんはさすが!!!ぼくの3倍くらい獲っていました。

NPO法人すみようヤムラランド

これでもまだ少ない方で、いつもはこの2倍くらい獲るそうです。

 

タナガを食べてみよう

 

今宵の宿泊地となる、和田さんのおうちに帰りつくと早速、和田さんがタナガを調理してくださいました。

調理方法はいたってシンプルです。

水で洗い、片栗粉をまぶし、温めた油の中に入れて揚げるだけ。

タナガの素揚げ

 

揚げる時間は短くて大丈夫です。30秒もすれば、こんなにも美味しそうな色に変化します。

タナガの唐揚げ

 

あとは塩を少し振ったら完成です。

この日は和田さんが育てている野菜も一緒に天ぷらにして出してくれました。

奄美市住用のタナガ

ビールと共に食べるタナガはサクサクしていておつまみに最高です。子どもも好きな味なので、ぜひ味わってみてください。

 

奄美市住用町は親子の自然学校教室

 

奄美市住用町は、奄美大島の中でも特に自然や生き物に恵まれた土地です。川やマングローブがあり、いろんな種類の生き物が見られます。川からの水路もあるので、たくさんの野菜も採れます。

タナガ獲り

親子で一緒に自然を楽しむには絶好の環境です。自然や生き物を見て、触り、自分で獲って食べる。奄美市住用町の川は、少し深いところもありますが、流れは穏やかなので流される心配もありませんし、海ほど暑くもないので家族で安心して楽しむにはちょうどいい場所です。

獲って楽しく、食べておいしいタナガ獲り。5月ごろから8月末までできますので、ぜひ親子で、自然学校のような気分で体験してみてください!

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この記事を書いたフォトライター

田中 良洋

田中 良洋

映像エディター/予備校スタッフ 兵庫県出身。奄美群島の文化に魅かれ、2017年1 月に奄美大島に移住。島暮らしや島の文化を伝えるために自身のメディア、離島ぐらし(https://rito-life.com/)を運営する。

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