長寿の島、奄美・加計呂麻島の伝統。日本で唯一の自然発酵酢、「かけろまきび酢」

かけろまきび酢

知る人ぞ知る「幻の酢」と言われるのが、この奄美・加計呂麻島でしか作ることができない自然発酵醸造酢、「かけろまきび酢」です。※現在はデザインが変更されています(2020年3月更新)

「幻の酢」と言われるのは酢の発酵に欠かせない、酵母菌や酢酸菌が加計呂麻島にしかないものだから。空気中に浮遊する菌類は気候や風土と密接に絡み合っています。

サトウキビを収穫する男性

きび酢の作り方はまず、1年~1年半かけて育てたサトウキビを収穫するところから始まります。

サトウキビの汁を炊き上げる

そして、収穫したサトウキビを圧縮して糖水(サトウキビの汁)を絞り、その汁を炊き上げて一定の濃度に調整します。

タンクに入ったサトウキビの煮汁

さらに水を加えて濃度を調整したあと、タンクに詰めます。最初の2~3日で空気中の酵母菌によりアルコール発酵したあと、酢酸菌の働きを経て、約1年できび酢となります。

きび酢工場

昔ながらの手作業で作られるきび酢は、原酢製造3工場で年間約100トンしか作ることのできない大変貴重なお酢です。

昔の加計呂麻島の人々は、製糖工場からサトウキビの洗い汁をもらってきて、家できび酢を作っていたそう。かけろまきび酢を確認する男性

きび酢の味わいはまろやかな甘みが特徴で、砂糖やしょうゆと一緒に野菜を漬け込んでお漬物、煮物にお醤油や砂糖と入れてさっぱり煮、炒め物にかける、お刺身につけるなど、さまざまな用途が。また、リンゴやビワなどのフルーツを漬け込んでジュースにしたり、そのまま健康飲料として一日におちょこ1杯飲む人もいます。

きび酢の栄養価の特徴としては、まず、塩分が少ないこと。現代人の生活はどうしても塩分過多になりがちですが、きび酢はほかの食酢に比べるとだいぶ塩分が少ないのです。そのため、後味がまろやかで飲用としても向いています。

またミネラル分が通常の穀物酢の約12倍、カルシウムが20.4倍、カリウムは125倍、鉄分は67倍もあり、赤ワインに含まれるポリフェノールも豊富。

暑さの厳しい夏や運動で疲れた体にぴったりの栄養分が含まれています。

いつものお酢のかわりにドレッシングとして使用したり、焼き肉のタレやバーベキューソースに入れるのもよく使われる方法。個人的には炒め物の味に飽きたときにかけて、味の変化を楽しんだり、トマトとよく合うのでサラダはもちろんパスタに入れるのもおすすめです。

奄美・加計呂麻島でしか作れない伝統の酢で、島の力を体の中からチャージしてみてくださいね。

《特産品の詳細は のんびり奄美にて掲載中!》

JAあまみ大島事業本部 瀬戸内支所 特産課(きび酢工場)

住所:鹿児島県大島郡瀬戸内町瀬相小勝原742-5
TEL:0997-75-0211

この記事を書いたフォトライターPHOTO WRITER

作家、ILAND identityプロデューサー。著作に『ろくでなし6TEEN』(小学館)、『腹黒い11人の女』(yours-store)。短編小説『こうげ帖』、『海の上に浮かぶ森のような島は』。2013年、奄美諸島加計呂麻島に移住。小説・コラムの執筆活動をしつつ、2015年加計呂麻島をテーマとしたアパレルブランド、ILAND identityを開始。

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