集落の中にそっとそびえたつ、歴史ある一本の木。「武名のがじゅまる」

武名のがじゅまる

「何もないけれど、全てがある」。

矛盾しているようなその言葉が、島に降り立った瞬間、なぜかわかるような気がする加計呂麻島。そこに、そっと大きくそびえたつ一本の木があります。

瀬相港から車で10分ほど。海沿いの小さな集落、武名(たけな)にあるがじゅまるは「武名のがじゅまる」と呼ばれ、集落では古くから神が宿る木として大切にされてきたそうです。

武名のがじゅまる

がじゅまるのある森には車では入れません。県道沿いにあるこの看板が目印です。

武名のがじゅまる

県道から入ると集落の公民館とこちらで「アシャゲ」と呼ばれる祭祀を執り行う場所が見えてきます。

武名のがじゅまる

武名のがじゅまる

そのまま集落の中を道なりに歩いていくと、川が。その川沿いをずっと歩くと、そびえたつ大きな木が。

武名のがじゅまる

こちらは「武名のがじゅまる」の手前にあるがじゅまる。

こちらも十分大きいのですが、そのさらに奥にあるのが、この「武名のがじゅまる」です。

武名のがじゅまる

あまりの大きさ故に写真では迫力が伝わりづらいのが残念なところ。行ってみたら「え、これが本当に木なの?」と思うぐらいの大きさですよ。

奄美大島には樹木の上に住むと言われる、ケンムンという妖怪の伝説があります。

ケンは木、樹木のこと、ムンは「もの」という意味で、各地により伝承は異なりますが、身長は1メートルほど、痩せていて全身が毛に覆われているのが通説です。

今でも、お年寄りと話すと「昔、ケンムンと相撲をとった」「ケンムンはタコが苦手だ」など、さまざまな話が出てきます。

そのケンムンが今も住処にしていそうな木が、この武名のがじゅまるです。

島内でも最大級の大きさを誇るがじゅまるは、木の下に立つと小さな悩みなど忘れてしまうぐらいに神秘的で雄大。

この木を守ってきた集落の皆さんに敬意を払いつつ、少しだけ、がじゅまるのパワーをおすそ分けしてもらってみてはいかがでしょうか?

武名のがじゅまる

住所:鹿児島県大島郡瀬戸内町武名

この記事を書いたフォトライターPHOTO WRITER

作家、ILAND identityプロデューサー。著作に『ろくでなし6TEEN』(小学館)、『腹黒い11人の女』(yours-store)。短編小説『こうげ帖』、『海の上に浮かぶ森のような島は』。2013年、奄美諸島加計呂麻島に移住。小説・コラムの執筆活動をしつつ、2015年加計呂麻島をテーマとしたアパレルブランド、ILAND identityを開始。

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