天の川ハンターと行く奄美星空紀行VOL.2| 名瀬・住用エリア

都会では決して見ることのできない美しい星空の魅力について、奄美大島の星を追いかけている「天の川ハンター」荒木マサヒロさんに、全6回でレポートしてもらいます。hosizorakiko

 

第2回目は奄美大島の中心部・名瀬。

奄美大島の商業・経済の中心部ですが、街から少し離れるだけで、極上の星空が観察できます。

いまから紹介する星空に実際に会いに、ぜひ足を運んでみてくださいね。

 
■天の川ハンターと行く奄美星空紀行(全6回)■

vol1.笠利・龍郷エリア
vol2.名瀬・住用エリア

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メランコリックな気分になるオススメポイント
〜 大浜海浜公園 大駐車場

P002_012017年7月8日04時35分

 

名瀬中心部から車で約15分ほどと極近の、ここ大浜海浜公園は人気のサンセットポイントだ。MAP

大浜海浜公園は上の大駐車場

しかし、夕日だけではなく、西側に見えている星々も、次々と大浜の海に沈んでいく。

夏の夜空を賑わせてくれた七夕星(織女星と牽牛星)と夏の大三角は、秋が深まる10月上旬から11月上旬くらいで見納めとなる。

日没のあと、薄明が終わるころ現れて数時間後には沈んでいく。このくらい夜空が明るい時間では、明るい星のみがくっきりと見える。七夕星や夏の大三角は一等星。これだとほぼ都会で見る星空と同じ。

差し替え_P002_2

夏の大三角を構成するベガ(こと座)、アルタイル(わし座)、デネブ(はくちょう座)をなぞってみると、まるではくちょうとわしが、海に沈みかけようとしている輝きを目指して帰って行くように見える。
実はこの輝きは太陽ではなく月。日没ではなく月没。夕焼けほどではないけれど多少空を染めて沈んでいく。
これは昨年2017年の七夕の日を超えた明け方の星空。月齢13.5のほぼ満月。サンセットポイントはムーンセットポイントでもある。
沈みゆく月を見るのもなかなかいいものですよ。

 

この位置に見えていた7月の明け方の夏の大三角は、3ヶ月後の10月上旬になると日没後の21時ごろ、10月下旬には20時ごろほぼ同じ位置に見られるようになる。七夕星・夏の大三角を見逃してしまった方はまだ間に合いますよ!


P002_032018年7月13日04時24分

はくちょう座のデネブ、こと座のベガ、わし座のアルタイルをつないだ夏の大三角。
まるで月のような輝きの火星。薄いレースのカーテンのような雲がたなびきながら動くその奥に星々が透けて見える光景は「the 奄美」。天文薄明が始まり次第に空は明るさを増し、火星を残してみな次第に消えてゆく。

 
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2018年7月14日03時30分

大きく右に傾いた美しく壮観な天の川を見るならここ大浜がオススメ。

天の川が右に傾いた時にはすでにさそり座の姿はなく、南斗六星のカップは下を向く。ここからは大河ドラマ「西郷どん」のオープニングに出てくる大和村の宮古崎が見え、その奥にうつ崎の灯台の明かりが見える。手前の集落の明かりは名瀬根瀬部(なぜねせぶ)。雲が明るく照らされているのは国直あたり。いつまでも見ていたい情景。これもまた「the 奄美」。

 

これまでの写真3枚を比べてみると違いがわかる。
夜空の明るさが変わると主役も変わり、見えているものが見えすぎて探しにくくなる。
この位置で見る夏の大三角は、見上げることなく首にやさしい目線の高さで見ることができるというのもオススメ。

 

名瀬の街で天の川
〜 奄美市中心地

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2013年7月3日22時36分

奄美市街地の上空にさそり座が見えた。ということはここに天の川がある。
肉眼ではどうだろう。見えていると言いたいところだが。
カメラと三脚を持って海岸付近に。もう5年前になる。今はもう埋め立てられているあたりの名瀬港。街明かりが眩し過ぎるので無理だと諦めていたのだが。

写っている! 本気で見ようと思えば見えるかもしれない。

 

名瀬からほど近い南の星空観望ポイント
〜 和瀬海水浴場

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名瀬から瀬戸内町古仁屋に向かい、名瀬朝戸と住用町新和瀬のふたつのトンネルをぬけた直線の下り。
下りきったところに和瀬漁港の入口がある。奥まで行くと駐車スペースがあり、護岸がない南に開放された海水浴場がある。浜から見ると正面に岬の突端があり、この突端がほぼ南となる。漁港にはトイレもある。名瀬中心地から約20分ほど。(MAP

和瀬海水浴場

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2018年7月13日03時25分

暗くなると漁港には街灯が灯る。明るくて星空観望には向かないように思うが、街灯を背にして南の星空を見るのにはほぼ影響はない。明るいうちに行ってロケハンしておこう。星空観望には懐中電灯、防虫グッズも忘れずに!

この時は撮りたい構図があって03時(7月13日)に出動。レ点のような配列で一番明るいのが火星。火星の右に彦星、天の川、織姫星。注目は左にある秋の一等星フォーマルハウト(みなみのうお座)。対岸の明かりは住用町市の明かり。

今の時期だと10月13日は21時頃。10月30日は20時頃。11月5日は19時半頃に同じように見える。これが秋の星空だ。

 

マングローブ原生林を眼下に太古の息吹を感じながら星空を見るポイント
〜 マングローブ原生林

P002_08

マングローブ原生林を一望できるところがある。名瀬から瀬戸内町古仁屋に向かい、住用町のマングローブパークを左に見て登り坂を越えたあたりから、マングローブ原生林が見えてくる。

見とれていると見落としがちな「マングローブ原生林」の案内板があり、ここには駐車場と展望所がある。トイレはなく手前のマングローブパーク入口にある。(MAP

マングローブ原生林駐車場

 

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眼下に広がる絶景のマングローブ原生林。ここで見る星空を期待しながら、まずは日中訪れてここの空気に触れてみてほしい。路上駐車は厳禁。必ずパーキングを利用しよう。

この絶景を見るにはパーキングを横切って歩道に渡ることになる。日中は交通量が多いので無理に横断せず車が過ぎ去るのを待とう。

 

P002_10
2018年6月18日02時37分

この辺りは走行する車がないと真っ暗になる。
気に留めていないとパーキングに気づかず通り過ぎてしまう。走行中は対向車のライトやナビのモニターの明かりで目の瞳孔が絞られているので星の出没に気づかないことが多い。僅かでも星が見えたら立ち寄ってみるといい。星を見る最良のコンディションになる準備をしよう。
人間の眼は暗さに慣れるまで20分ほどかかると言われている。明かりを落としてじっと待とう。すると見えてくる見えてくる。

この時は湿度90%。三脚が濡れる。山間(やんま)集落の灯りに照らされたうごめく靄(もや)。
その靄の上は遮る雲もなく星空と立ち上がる天の川。

この写真で一番眩しいのが火星(中央やや左)、次に土星(天の川の中)、次にアンタレス(右はし)。天の川にかかる南斗六星を左に伸ばすと明るい星がある。これが秋の一等星と言われているフォーマルハウト(みなみのうお座)。10月13日あたりだと20時くらいにほぼこの写真と同じように見える。秋の一等星「フォーマルハウト」がわかるとなるとレベルは高い。この構図を覚えて探しに行ってみよう!

 

 

【用語解説】

the 奄美

同じ星空でも奄美の星空は奄美だけの特別な星空。奄美ならではのその一瞬に出逢えた時。
この時を「the 奄美」と言って僕は大事にしている。

■写真・文章■
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荒木マサヒロ

奄美の自然をこよなく愛すデジタルコンテンツクリエイター。天の川ハンターの異名を持ち奄美の天の川を撮り続けている。作品に iBooks「天の川見に行こっと!」シリーズがある。また自ら癒されながら収録している奄美の波音や鳥のさえずりのヒーリングネイチャーサウンドアルバムはハイレゾワールドチャートに登場している。「天の川・トークイベント」「星空撮影ワークショップ」も不定期に実施中。
Facebook 「天の川見に行こっと!奄美・瀬戸内」https://www.facebook.com/nonicotto/

この記事を書いたフォトライターPHOTO WRITER

2010年に誕生した、シマを愛するすべての人々のための奄美群島地域情報サイト。日々あがってくるシマッチュたちのブログを主軸に、編集部が取材したグルメ・不動産・仕事・イベントなどの情報まとめなどを掲載。フリーペーパー「みしょらんガイド」「amammy」も配布中!しーまブログ

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