そうだ!奄美大島で福木(フクギ)染め体験をしよう!!

島遊

2019/01/10

ペン

かみやあつこ

奄美大島旅行をご計画中のみなさまへ、奄美大島で楽しめるさまざまな体験をご紹介する「そうだ!奄美大島で〇〇体験をしよう!!」シリーズ。

第8回目の今回は、「福木(フクギ)染め体験」をご紹介します!
訪ねたお店は、奄美大島の西方に位置する大和村国直集落の海岸沿いにある『喫茶・草木染め・民宿 てるぼーず』さん。

国直 てるぼーず

お店はフクギ並木の側にあります。店舗の窓から外を見ると青い海が広がり、対岸にある緑豊かな山々が望めます。

そんな澄んだ海と空を眺めながら、「福木染め体験」をしてきました。

 

ところで、みなさんは「フクギ」がどのような木かご存知ですか?

フクギとはフクギ属の常緑高木で、「福木」とも書きます。10~20mの高さまで成長します。葉は緑が濃く卵状や太長の楕円形をしており、花は5~6月ごろに咲きます。

ふくぎ並木

奄美大島では大和村国直集落に多く見られます。本来は防風林や防火林の目的で植えられたものですが、近頃はフクギのトンネル散策を楽しむためにたくさんの観光客が訪れています。

福木染め体験s_IMG_9371

福木染め体験では、フクギの樹皮や割いた木片を煮詰めて作られた染料を使います。染料として煮出されたフクギは淡い黄色をしています。

 

てるぼーずのふくぎ染め体験

体験の講師は「てるぼーず」店主の重照代(しげ・てるよ)さんです。

フクギについて詳しく説明していただけます。

福木s_IMG_9389 (1)

≪写真右が重さん≫

重さんは奄美大島出身のパッチワーク作家。作家として横須賀で活躍したのち、惜しまれながらも奄美へ帰省。辿りついた国直にて、染色技術を独学で習得し2002年に「てるぼーず」を開店しました。その明るく軽快な語り口で訪れる人を惹きつけます。

 

やってみよう!染めてみよう

体験では重さん自らが厳選した生地を使います。染めるのは国産の麻とレーヨンで織られたショール。また、ショールのほかに巾着やトートバック、のれんなどもありました。素材によって金額が異なりますので体験を申し込む際に確認してくださいね。

 

染める工程を楽しもう!

①手袋を軽く洗ってから、ショールをゆすり洗いします。生地に汚れや油分が残っていると染めムラが出来る原因になります。

②フクギの染液に生地が重ならないように広げて浸け、染料を均等に染み込ませます。このときの染液の温度は50度ほど。少し熱く感じるぐらいの温度から徐々に熱を加えて、最終的に80度から100度近くまで温度を上げていきます。やけどをしないように気を付けながら作業しましょう。

福木染め体験の様子s_IMG_2489

≪この段階でショールは薄い黄色に染まります≫

③次に、色止め効果と発色効果を促すための工程である媒染(ばいせん)を行います。媒染液に入れた途端に色が変わり、驚きました。媒染とは黒豆と一緒に古釘を入れて発色させる原理と同じです。媒染液に入れるタイミングは生地の種類や発色させたい色によって変わります。染めムラができないように生地を広げながら浸けます。

 

④媒染で発色した生地を再びフクギの染液に浸け、色を重ねます。繰り返し染色することで色が濃くなり、鮮やかさが増します。

福木染め水洗いの様子s_IMG_2499

⑤いよいよ大詰め。水洗いして(ここは文明の利器で)脱水にかけ、風通しの良い場所に干します。

福木染め体験乾燥の様子s_IMG_2507

≪異なる媒染剤を使うことで、カラシ色やオレンジ色に染まります≫

思い描いていた色に染まりました!自分で染めたショールの出来栄えは格段にいいものですね。プレゼントにしても喜ばれること間違いなしです。かくいう私も母の誕生日プレゼントにしました。

ご家族やお友達を誘って、「福木染め体験」で楽しい時間を過ごしてください。

 

ペンアイコン
この記事を書いたフォトライター

かみやあつこ

かみやあつこ

 奄美在住(自称)名古屋のハーフ。在宅ワーカー。最近になって自分のやりたい事を開拓中の「ただ」「無料」「簡単」というキーワード好きなうえに「眠い」が合言葉のO型。薦められて始めた日本舞踊は何故か20年近く経過…。飽き性ながらも地道にやり過ごす(自分でも本性が分からない)不思議ちゃん。

Related Articles 関連記事