ネイチャーワンダーアイランド~vol.5|奄美の自然を楽しもう!

うがみんしょうらん。

今回は、奄美野生生物保護センターの吉田明美と奥田幸恵が、奄美の自然の楽しみ方についてご提案します。

ネイチャーワンダーアイランド~vol1|なぜ奄美大島には希少野生生物が多く残っている?
ネイチャーワンダーアイランド~vol2|マングローブってどんなところ?
ネイチャーワンダーアイランド~vol3~外来種の実態、防除の最前線

奄美の自然は多様性に富んでおり、希少種や固有種が多く、しかも貴重な自然が身近にあります。こんな素晴らしい自然環境がすぐそばにあるのに、楽しまない手はありません。さぁ、新しい発見を探しに出かけましょう!

 

でもちょっと待って!出かける前に確認と準備が必要です。

①天気②場所③危険生物の3つについて注意と事前確認が必要です。

①当日の天気は必ずチェックをしましょう。夏の炎天下なら熱中症にならないようにこまめな水分補給を、雨ならば川での遊びは中止にしなければいけません。

②山、川、マングローブ、海、それぞれ危険個所は異なります。海では離岸流や日差し、川なら浮石や瀬などの流れの速い所。出かける前にどんな危険があるのか調べましょう。

③奄美大島を代表とする危険生物と言えば、ハブですね。ハブは、山から海岸まで、どこにでもいるので注意が必要です。また陸地ならブユ、ヌカカ、ハチがいます。海ならアンボイナやガンガゼですが、こちらが触らなければ危険はありません。しかしゴマモンガラやウミヘビなど向こうから近づいてくるものもいますので、決して慌てずにその場から静かに離れましょう。また、海に限らず、分からない・知らないものは触らない食べないことが第一です。

 

3つの注意点を確認したあとは、服装と持ち物の準備を怠らずに!

海と山で安全に遊ぶための服装

特に服装は、危険生物から身を守るために有効な手段です。露出は最小限にしましょう。水着など露出の高い恰好で山中に行くのはとても危険な行為です。その場に適した服装をしましょう。

海にはこんな危険な生き物がいます。

奄美の海の危険生物

海だけではありません。山にも要注意!

奄美の山の危険生物

 

1.海に遊びに行こう!!

海と言っても、いろいろな環境があります。砂浜、波打ち際、水中、磯、潮だまりなどなど。

シュノーケリングでサンゴ礁や熱帯魚が観察できれば最高!

シュノーケリングで見られるサンゴ礁

深いとこ ろまで泳げない人は、大潮の干潮時に現れる潮だまりを観察すれば、熱帯魚の稚魚や幼魚が泳いでいて楽しいですよ。

ウミガメやカクレクマノミにも会えるかも?

奄美の海のウミガメ 奄美の海のカクレクマノミ

 

潮干狩りも楽しいですね。石そっくりのカニがいたり、じっとしていると隠れていた魚が岩陰から出てきたり、新しい発見がいっぱいです。 

奄美の海で潮干狩り

 

2.川に遊びに行こう!!

川遊びといって最初に浮かぶのは何と言っても“タナガ(手長エビ)捕り”です。川は冷たい水がさらさらして海とはちがった感覚で楽しめます。

奄美野生生物保護センターでも川の自然観察会を川内(かわうち)川や役勝(やくがち)川で行いました。

川内(かわうち)川や役勝(やくがち)川での自然観察会

シュノーケリングで、顔を水に付けているとリュウキュウアユやヨシノボリ、ハゼ、テナガエビなどが泳いだり歩いたりするのが見えます。

シュノーケリングでリュウキュウアユやヨシノボリ、ハゼ、テナガエビの観察をする子どもたち

水に顔を付けるのが苦手なら、ぜひ箱メガネを使ってみてください。魚やエビの観察ができ、デジカメで写真も撮れますよ。

石をひっくり返せば、トビゲラの幼虫を見つけることができます。

川岸の枝にカワセミが止まるかもしれません。

川は、さまざまな動物に出会える場です。

奄美の川で生き物観察

 

 

3.森に遊びに行こう!!

林道の奥深くに行くのは危険が伴いますが、自然が身近な奄美大島では舗装道路や「自然観察の森」や「フォレストポリス」などの自然公園の散策でもいろいろな自然が観察できます。

奄美野生生物保護センターでも、舗装された林道やフォレストポリスで観察会を行いました。

奄美野生生物保護センターでの自然観察会

鳥や、虫などの生き物、植物をじっくり観察しながらゆっくり歩いてみてください。目で見るだけでなく、耳を澄ませて鳥の声や虫の音を聞き、花の匂いをかぎ、風を肌で感じてください。大丈夫だと確かめられたら、肌触りを調べてみるもの良いですね。ただし、草陰や岩陰など見えないところにはハブがいるかもしれないと常に気を付けることを忘れないように!

 

 

奄美の森は何度行っても新しい発見がある

同じ場所でも、時間によって、また、時期によって、見られる生き物は違ってきます。何度も訪れ違いを見つけてください。鳥の観察は朝がおすすめです。

奄美の森で野鳥を観察する人々

奄美の森は夜行性の生き物が多いですが、不用意な夜の観察はハブなどの危険があったり、生き物の生活を邪魔してしまうこともあります。ぜひガイドさんにお願いして安全や生き物への配慮をした上で、奄美の夜の森を観察してください。

奄美の夜の森で自然観察する人々

 

4.家のすぐそばの自然を観察してみよう!!

いつもはさっさと歩いて過ぎる散歩や帰り道でも、四季折々の自然観察が楽しめます。周りにちょっと注意を向けてみてください。いろいろな花や、蝶、虫、実、などなど、きれいなもの、面白いものがたくさん見つかるはずです。

見つけた虫を時間をかけて観察すれば面白い動きをするかもしれないし、虫メガネで観察すれば細かいところまで見えて思いのほか美しかったり、時間を変えて観察すれば、色が変わっていたり、いくらでも新しい発見があるはずです。虫メガネを持っていないときは、スマホで写真を撮って、拡大してみると面白い発見があったりしますよ。

自然観察する子どもたち

ただの雑草と思っていた道端の草花も、名前を調べてみてください。不思議なもので、名前を自分で調べるとちゃんと覚えられるし、一度覚えた草花はなんだか愛おしく、「あっ、ここにも咲いていた。」なんて、ちょっぴりうれしくなったりするものです。

 

最後に

さぁ、実際にいろいろなところへ出かけて、いろいろな自然観察をして遊びましょう!

奄美の自然の素晴らしさを再認識でき、もっともっと奄美の自然が大好きになってしまうことでしょう!

 

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この記事を書いたフォトライターPHOTO WRITER

奄美群島の自然や生き物に関する展示を行う環境省の施設。

野生生物の調査、外来種対策、自然観察会を通した普及啓発や世界自然遺産登録に向けた取組などを総合的に行う拠点にもなっている。

開館時間:午前9時30分~午後4時30分

休館日:毎週月曜日(祝日を除く)、年末年始(12月29日~1月3日)

住所:鹿児島県大島郡大和村思勝字腰ノ畑551番地

電話:0997-55-8620

管理協力: 鹿児島県自然保護課、奄美群島12市町村

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