住用町「つむぎ庵」の絶品シマ桑抹茶アイス!災害に強い「シマ桑」とは?

奄美市住用町役勝(やくがち)にある「奄美薬膳 つむぎ庵」

奄美市住用町役勝(やくがち)、住用中学校の近場に位置する「奄美薬膳 つむぎ庵」。
住用に本部を構える「NPO法人奄美島おこしプロジェクト」が運営する「お蕎麦屋」さんです。

奄美の健康食材「シマ桑・シマアザミ・長命草(ちょうめいそう)」で作った『奄美薬膳蕎麦』をはじめ、自家農園で栽培するとれたて無農薬野菜と奄美の様々な食材を使ったメニューの開発に取り組んでおられます!

昨年2018年の夏から、新しくメニューに加わったという「シマ桑(ぐわ)抹茶アイス」!

今回、シマ桑抹茶アイスからシマ桑そのものを学ぶべく、つむぎ庵さんに潜入します!

 

 

シマ桑を加工し薬膳料理として提供

今回の取材に対応してくださったのは、奄美島おこしプロジェクトの事務局長で、本土からIターンで来られた「大田美紀(おおたみき)」さんです。

奄美島おこしプロジェクト事務局長の大田美紀さん

つむぎ庵の看板メニューは自家農園で採れた「シマ桑」、「シマアザミ」、「長命草」などを使った「奄美薬膳そば」。
奄美の薬草を粉末状にして、そばに練り込んでいるそうです。

その「素材」のひとつがコチラ、「シマ桑」です。

奄美大島の自家農園で採れた「シマ桑(ぐわ)」

鮮やかな緑がいっぱい!
まずは右下のポットに入った「シマ桑茶」をいただきます。

煎茶のように濃い緑色をしていましたが、香りは弱く、でも甘さのある緑茶といった感じ。

手前3皿の左から順に「シマ桑塩」、「シマ桑粉末」、「シマ桑茶」。どれもシマ桑の葉を加工したものです。

奄美大島産の「シマ桑塩」と「シマ桑粉末」と「シマ桑茶」

中央の「シマ桑粉末」粉末を口にしてみると、苦味が全くないことに驚きました!
口当たりが軽く、甘さのある緑茶のような風味です。

わずかに塩気を感じたのですが塩は入っていないとのこと。

奄美の野菜にはミネラルが多いと言われているので、ひょっとしたらミネラルの味かもしれませんね!?

 

 

シマ桑抹茶アイスってどんな味!?食レポに挑戦!

シマ桑茶を堪能したところで、お楽しみの新メニュー「シマ桑抹茶アイス」が登場しました!

つむぎ庵の新メニュー「シマ桑抹茶アイス」と「ドラゴンフルーツのフローズンヨーグルトアイス」と「パッションフルーツとマンゴーのシャーベット」

何と取材だからと、大田さんの「大サービス」で目の前にたくさんの、カラフルなスイーツが登場!!

写真上が「シマ桑抹茶アイス(※参照)」。
下左は「ドラゴンフルーツのフローズンヨーグルトアイス」。
下右が「パッションフルーツとマンゴーのシャーベット」。

今回いただいた中でも「シマ桑抹茶アイス」は、「奄美薬膳そばセット」や「島料理御前(予約専用)」に付く特別なもので、小豆あんがかかったシマ桑団子も入っています。

シマ桑抹茶アイスは、アイスの味が「抹茶」そのもの!・・・と思ったら、なんと抹茶は入っていませんでした! ※抹茶とは、緑茶の一種である「碾茶(テンチャ)」というお茶を粉末にしたもの。
「シマ桑アイス」だとイメージがつかないため、見た目も味も似ている「抹茶」をネーミングに入れたそうです。

シマ桑抹茶アイスは、シマ桑粉末の食感なのか少しザラッとしていますが、抹茶のような濃厚さが強調されているように感じます。
シマ桑がアイスに混ざることによって、より甘さが際立って、抹茶アイスに似ているというイメージ。

また、桑の葉に含まれる成分の影響らしく、スプーンですくうとトルコアイスのような強い粘りがあり、お餅のように伸びる特徴も。

シマ桑団子はしっかりした弾力があり、そのままだと、緑茶をほんのりビターにした風味。
小豆あんと食べることで、和風の甘味が味のバランスをとってくれます。

ドラゴンフルーツのアイスは、見た目のイメージに合う「ベリー系」の甘酸っぱさ。
シャーベットはパッションフルーツの酸味と、マンゴーの甘味がほどよく調和されたさっぱり系。

アイスメニューに使われているトロピカルフルーツは、地元住用町の農家で採れたものです!

奄美大島の住用町のトロピカルフルーツ

奄美では天候不良や台風の影響を受けると、農産物にキズがつき商品として市場に出荷できなくなって困る農家がたくさんでてきます。

ですが、見た目が悪いだけで美味しさはまったく変わりません!

つむぎ庵では、地元の農家さんからキズついた農産物などを買い取り、カットフルーツやピューレなどに加工し、スイーツやドリンクメニューとして提供しているのです。
冷凍ストックしておくことで、冬でもトロピカルフルーツを使ったアイスメニューが提供できるんですね!

 

 

そもそも「シマ桑」って?

桑は絹糸になるマユを作る蚕(かいこ)のごはんとして知られる植物。
大島紬を生んだ奄美における養蚕の歴史はとても古く、奈良時代から行われていたそうです。
昔は奄美にたくさんのシマ桑畑がありました。

一般的に、日本本土で広く知られているのはヤマグワですが、鹿児島県の離島や沖縄県のような亜熱帯地域に自生するシマ桑は、また別物。

シマ桑は葉質が良く、冬でも落葉することなく「年中葉をつける」という特徴があります。
台風や災害の耐性に優れていることもあり、亜熱帯地域に適している桑品種です。

採れたてのシマ桑を見せていただくと・・・

奄美大島産の採れたてのシマ桑

ツヤがあり、みずみずしくてとってもキレイ。

あれ!?

よく見ると、色んな形の葉があります。

奄美大島産の採れたてのシマ桑

このもみじのような形の葉も、そうでない葉も、全てが桑の葉。
桑の葉は不思議なことに、1つの木から違う形の葉が形成されるのだそうです。

 

 

奄美が誇る最強の薬草「シマ桑」

桑に含まれる「DNJ(デオキシノジリマイシンの略)」という成分。
血糖値の急な上昇や低下を抑える働きがあることから、「生活習慣病の予防効果が高い」とされています。

この「DNJ」が豊富に含まれているのは桑の葉のみ!

これを聞いて私はちゃっかり、シマ桑茶を買いました!

奄美大島住用産の無農薬栽培で無添加のシマ桑茶

奄美が長寿の島と呼ばれる秘密には、シマ桑をはじめ、豊富な栄養分を含んだ薬草が多くあり、昔から食されてきたことに関係があるのかもしれません。

シマ桑の注目すべきところは、「災害に左右されないため、露地栽培に最適である」という点。
住用町で地域調査を依頼したところ、この露地栽培に適しているとのことで、シマ桑の環境にバツグンなんです。

台風にも強く、1年を通して葉を摘むことができるシマ桑は、管理も楽で栄養価も高く、まさに最強の薬草!

今後も奄美の薬草の良さについて情報発信を展開したいと、「奄美島おこしプロジェクト」の思いを語ってくださった大田さん。
「沖永良部では、既にシマ桑事業が進んでいますが、奄美本島でも『つむぎ庵』を拠点として、もっと島内にシマ桑の良さを広げたいです。」
まずはぜひ、住用町でしか食べられない「シマ桑抹茶アイス」をみしょって(食べて)みてくださいね~!

《飲食店の詳細は のんびり奄美で掲載中!》

奄美薬膳 つむぎ庵

店名:奄美薬膳 つむぎ庵

住所:鹿児島県奄美市住用町役勝87

営業時間:11:30~15:30(15:00ラストオーダー)

定休日:不定休

TEL:0997-69-2390

この記事を書いたフォトライターPHOTO WRITER

奄美市名瀬生まれ。大好きな文章書きを仕事にしたいと2016年からライターの勉強をスタート。地元主婦ライターとして、丁寧に島のことを伝えていくことを目指す。音楽が好きで、趣味はカラオケと楽器演奏。特にドラムやエレクトーン、三味線が大好き。

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