そうだ!奄美大島「島人の心」伝統芸能の三味線を弾いてみよう!!

島唄

2019/03/01

ペン

多田 麻美

※あまみシマ博覧会2019冬プログラムは終了いたしました。新しいプログラムはこちらからご確認ください。

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奄美大島旅行をご計画中のみなさまへ、奄美大島で楽しめるさまざまな体験をご紹介する「そうだ!奄美大島で〇〇体験をしよう!!」シリーズ。

奄美大島には、自然を満喫できるアクティビティや大島紬にかかせない泥染体験、黒糖焼酎の工場見学など、様々な体験プログラムがあります。

第14回目の今回は、「あまみシマ博覧会2019冬北部プログラムNo.11 三味線を習い、弾いて奄美の伝統芸能を知ろう!奄美三味線体験」をご紹介します!

 

親子で伝える奄美大島の伝統芸能 三味線

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今回、三味線を教えて頂いたのが、「奄美ちぢん・三味線製作所」の代表である、昇 和美(のぼり・かずみ)さんと、お母さまの喜代子(きよこ)さんです。

三味線弾きの和美さん唄者の喜代子さん親子は、奄美市名瀬伊津部町で民謡教室を開き、三味線を教えています。

喜代子さんは小さな頃からシマ唄を歌い、島唄大会で受賞歴を持つ唄者です。

和美さんは小学生の頃に、瀬戸内町出身の著名な唄者である武下和平さんから三味線を習っていましたが、武下さんが転勤で島を出られてからは、三味線を弾かなくなってしまったそうです。

学生時代は吹奏楽部に所属していた和美さん、音楽には携わっていましたが三味線を弾くことはありませんでした。あるとき、いとこの結婚式の余興で、喜代子さんのシマ唄に合わせて三味線を弾いて欲しいとお願いされました。

再び三味線を習う機会が訪れ、今度は奄美大島を代表する唄者のひとりで、宇検村出身の坪山 豊さんから教えを受けたそうです。

 

奄美大島「三味線教室」の誕生秘話!

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「最初は三味線教室をやるつもりではなかった」とおっしゃるお二人。

喜代子さんのご友人が「三味線を習いたい」と言ったのがきっかけで、当時は教室と言うよりは、皆で茶菓子を食べながら三味線を弾く、楽しい集いの時間を始めたそうです。

ところが、ご友人が一人二人とお仲間を連れてくるようになり、だんだんと教室のようになっていきました。

「人数が増えてくると、今度は譜面が必要になってきた」

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元々、口伝えで広まってきたシマ唄には譜面がなく、集落や唄い手さんによってリズムや歌い方が違います。

皆が分かりやすく三味線を弾けるようにと、喜代子さんの唄に合わせて、和美さんが音を付けながら、二人で譜面を作り始めました。昇流のオリジナル譜面の誕生です。

全部で50曲近くあるそうで、「1曲弾けるようになると、どんどん弾きたくなるのが三味線の魅力よ」と語る喜代子さん。

 

いよいよ奄美大島の伝統芸能 三味線に挑戦!

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いよいよ三味線弾きに挑戦、練習時間は2時間です。

まずは説明からスタート。

奄美大島の三味線と他県の三味線の違いや、楽器の説明、譜面の読み方や弾き方を丁寧に教えて頂きます。

練習曲は「徳之島一切節(とくのしまちゅっきゃりぶし)」です。

徳之島の代表的なシマ唄で、覚えやすく弾きやすいので、この曲から始めるそうです。

2時間の教室で1曲弾けるようになる人もいれば、三味線の音出しの練習で終わる人もいて、弾けるようになるのには個人差があるそうですが、中には2曲くらい弾けるようになる人もいるんだとか!

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私はウクレレを弾くので弦楽器には多少馴染みがありますが、右手で弾く小バチの使い方に慣れるのに少し時間がかかりました。

何度も同じところで間違えましたがゆっくりと丁寧に教えて頂けたので、終わる頃には何とか「徳之島一切節」を弾けるようになり、奄美大島独特の音階を肌で感じることができて大満足です。

弾けるようにならなくても、三味線の音を出すだけでも楽しいです。

和美さんと喜代子さんがお手本を聴かせて下さるのですが、お二人の掛け合いのように歌いながら一曲弾けるようになったら、違う曲も弾けるようになりたいと思う生徒さんたちの気持ちがよく分かります。

 

島人の心、三味線を教えるのが喜び!

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お二人にとって、三味線を教えることは、人とのコミュニケーション

習ってもらえることが嬉しく、教えることが一番の喜びとお話してくださいました。

奄美大島のシマ唄は、歴史的な背景から辛さや、苦しさ、日常で感じる寂しさや女性の嫉妬心などを歌った唄が多く、明るく朗らかな曲が少ないそうです。

寂しいと感じている時に、自然と寂しさを表現したシマ唄を口ずさみ、分からない言葉があっても、歌っているだけで心にぐっとくる、島人の心を表現しています。

三味線の音色があることで、シマ唄の感情の深みがより一層増します。

体験プログラムを通して、奄美大島の人々の心に触れることができました。

 

奄美大島伝統の三味線と太鼓「ちぢん」

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店内には三味線の他にも、奄美大島伝統の太鼓「ちぢん」も販売されています。

色々な種類の三味線やちぢんが飾られているので、それらを見ることがでるのも、三味線教室の見所の一つです。

奄美大島に来たらシマ唄を聴くだけではなく、是非、三味線を習ってみることをおすすめします。

三味線の音や振動を通して、体全体で奄美大島を感じることができると思います。

 

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この記事を書いたフォトライター

多田 麻美

多田 麻美

家族で東京から奄美大島に移住してきました。番組制作会社退職後に映像制作や映画祭の運営を行うフリーランス業を営む傍ら、タイやインドの学校へ通いながらタイ古式マッサージやアーユルヴェーダの勉強を深め、現在はタイ古式マッサージやチネイザン(氣内臓療法)、産前産後ケアを出張やイベント出店で行っています。自宅では無農薬でハーブなどの植物を育てて、セラピーに使っています。

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