【案内人に聞く】奄美大島旅行プラン作りのコツとめぐり方

奄美大島のビーチ

美しい海でのレジャーや、大島紬など文化的な体験もできる、鹿児島の離島・奄美大島。東京や大阪からの格安航空券も利用しやすく、気軽に訪れることができる南の島です。

離島と聞くと、1日で見て周れるほど小さくのどかな島をイメージする方も多いかもしれません。

「でも、いざ奄美大島に到着すると、想像よりもかなり大きいな島だと驚く人も多いんです。観光スポットが広い島中に点在しているので、どこに行こうか迷って、空港で何分も話し込むグループも見かけます。」と、あまみ大島観光物産連盟の恒吉(つねよし)さんとローズマリーさんが教えてくれました。

お2人は、奄美空港や市街地の観光案内所で、たくさんの観光客の方にアドバイスをしてきた旅の案内人。今回はそんなお2人に、奄美大島旅行を楽しむコツや注意点をお伺いしてきました!

あまみ観光物産連盟の2人

奄美大島を上手に旅行するコツは?

せっかく奄美大島に来たなら、普段できない体験を満喫したいですよね。

春や夏は海でのレジャーやキャンプ、冬は大島紬や黒糖焼酎などの文化的な体験など、おすすめしたい観光はたくさんあります!

どんな風にプランを立てるとうまく周れるのか、旅のコツを伺いました。

 

奄美大島旅行は何日がおすすめ?

 

「奄美大島を楽しむには、少なくとも2泊3日以上はほしいですね」と恒吉さん。

1日ではとうてい周れないほど大きな奄美大島。有人島の中では、沖縄本島、佐渡島に次いで3番目の大きさを誇る島です。

奄美大島の大きさを、関東・関西の地図にそれぞれ重ねてみるとこんな感じ。以外に大きいことが実感できるのではないでしょうか?

奄美大島の大きさを関東と比較

▲奄美大島の大きさを関東と比較!

奄美大島の大きさを関西と比較

▲奄美大島の大きさを関西と比較!

 

加計呂麻島など、奄美大島からさらに他の島にも行きたいなら、3日以上の日数がないと、本当に行ってすぐ帰ってくるだけになってしまうと言います。

「最近は格安航空券で安いチケットが手に入ったとのことで、週末の1泊2日で観光に来られる方もいらっしゃいます。でも奄美大島は山道も多いので、地図で見て想像するよりも移動に時間がかかるんです。1泊2日だと、島をチラッと見るだけで終わってしまうかもしれません。」

 

島は意外と大きい!どんな旅行にしたいかイメージを持って

 

「まずは、奄美大島でどんなことをしたいのかが大切」と恒吉さん。

奄美大島は大きくて、「とりあえず一周する」ということができません。ここは観光したいという目的地を事前に決めておくことが、満足できる旅行のために欠かせないポイントです。

奄美大島では、澄んだ海でのマリンスポーツをはじめ、大島紬や黒糖焼酎など文化的な体験も楽しめます。かと思えば、小さな集落で何もしない時間を楽しむというのんびりとした非日常を満喫することもできます。

アクティビティをしてもよし、何もしなくてもよし。さまざまな観光のかたちがある奄美大島だからこそ、行きたい場所やしたい体験を決めておくことで、理想の旅行ができますよ。

ちなみに、アクティビティをするなら事前に予約しておくのがおすすめ。雨が降ったら翌日に延期してもらうなど、相談に乗ってもらうこともできます。

 

交通手段のおすすめは?

レンタカー

奄美大島旅行では、レンタカーを借りて観光するのが基本です。

もしも同行者に運転できる人がいないなど、レンタカーを借りられない場合は、バスで行けるところだけに限定して観光するのがおすすめ。

ただ、バスは本数が少なく、場所によっては1時間~2時間に1本しか走っていないこともあります。タクシーを併用することも念頭に置いておくようにしましょう。

注意しておきたいのが、奄美大島の中心市街地の名瀬以外の場所では、タクシーは基本的に電話をして呼ばないといけないということ。すぐ来てくれるタクシーがあればいいですが、近くを走っているタクシーがなければ待ち時間が長くかかるかもしれません。

また、「奄美大島でタクシーを使うのは、外国人にとってはもっと難しい」とローズマリーさん。奄美大島では、英語を話せる運転手さんは多くありません。「そんな時は、宿の人や近くにいる人に協力してもらうといいですよ。」と教えてくれました。

 

宿泊場所はどこがおすすめ?

「リゾート感のあるホテルを楽しみたいなら、空港近くの奄美大島北部。ビジネスホテルに泊まるなら、飲み屋街もある名瀬近くがおすすめです。」と恒吉さん。

名瀬以外の場所で宿泊するなら、食事付きの宿を選ぶのがおすすめだそう。「特に夕食は宿で用意してもらうといいですよ。夜はどのお店も早くに閉まってしまう地域もあります。」

また、宿やホテルの事前予約は必須と言います。「ここ数年、オフシーズンでも宿は当日にはいっぱいになることが多いんです。当日でも、行ってみたら空いている宿があるだろうというのは禁物ですよ。」

奄美大島旅行のオフシーズンである冬の時期には、ツアーで来る団体のお客様や、実業団などスポーツ合宿で宿泊する人でいっぱいになることもしばしばあるんだとか。その日の宿を探して1日が終わってしまった!となってはもったいないですよね。

また、宿の場所や、宿に向かうバスの最終便の時間など交通手段も確認しておきましょう。バスが通らない小さな集落の宿で泊まるなら、送迎してもらえるのかどうかも聞いておくといいですよ。

 

奄美大島観光の注意点は?

奄美大島では、台風やスコールなど、南の島ならではの悪天候で観光ができなくなってしまうこともあります。

また、奄美大島には内地では見られない植物や動物たちが共生しています。貴重な動物を守り、そして野生生物から自分の身を守るために注意しておくべきポイントを教えていただきました。

 

クロウサギをひかないで!自然保護を心がけよう

アマミノクロウサギ注意

奄美大島には、この島にしかいない動物や鳥がたくさん棲んでいます。アマミノクロウサギなど、絶滅の危機にある希少な生物も生息しており、彼らの多くは夜行性。そんな動物たちに出会えるナイトツアーも、奄美大島の人気アクティビティのひとつです。

ツアー中はガイドさんと一緒なので大丈夫なのですが、自分で夜の道を運転する時は要注意です。アマミノクロウサギが車にひかれてしまう事故が起こっているんです。

「山道だけではなく、道幅の大きな国道58号線でも、クロウサギがはねられているのをまれに見かけます…。」と恒吉さん。夜は道に飛び出してくる動物に注意して、ゆっくり運転してくださいね。

また、金作原原生林に行くときは、必ずガイドさんが同行してくれるツアーに参加してください。ガイドさんの説明を聞きながら原生林を歩くと、奄美大島の自然についてより知ることができますよ。

 

夜の水辺はハブに注意!

ハブ
強力な毒をもつ蛇、ハブ。

明るい時間でも茂みの側を歩いていると、島の人に「ハブに気を付けて」と声をかけられるほど、ハブには警戒が必要です。どうしても山道を歩かないといけない時は、ハブ対策として棒を持ち、音を立てながら歩く(するとハブが逃げる)という人もいますよ。

ハブは茂みの中やサトウキビ畑に隠れていることが多いですが、舗装された道にも出てくることがあります。歩くときはなるべく道の端ではなく、真ん中を歩くようにしましょう。

また、ハブは夜に活動的に動くので、夜は人がいない場所を歩かないほうが安全です。

特に、夜の海には要注意!海辺や浜でもハブを見かけることがあるそうです。特に海辺の植物の茂みには近寄らないようにしましょう。

 

強い日差しには、サンゴに優しい日焼け止めクリームを

日差し

奄美大島の日差しは強いです。海に入る時はラッシュガードなど、長袖長ズボンを着用するようにしてくださいね。

「実は、島の人は夏の昼間にあまり海に入らないんです。太陽の光が柔らかくなり、暑さが和らぐ夕方ごろから入る人が多いんですよ。」とローズマリーさん。

そこで必須となる日焼け止めクリームですが、奄美の海の美しさを何年後も楽しむために、気を付けておきたいことがあるとのこと。

市販の日焼け止めクリームに含まれる成分は、サンゴ礁を白化させるなど、悪影響を及ぼすと言われています。サンゴ礁や海の生物に安全な日焼け止めクリームが販売されているので、サンゴを殺さない製品を使うようにしてください。

海の生物に優しい日焼け止めクリームは、Amazonなどネットで購入可能なものもあります。奄美大島でも、サーフショップやリゾートホテルなどで取り扱っていますが、旅行前に準備してくると安心ですね。

 

台風にスコール。南国の気候はこう乗り切る!

強風

奄美大島は亜熱帯の南国の島なので、夏場はスコールがやって来ます。午前中は快晴でも、突然夕立のような雨が局所的に降ることもあります。雨が降ると体感温度も下がるので、出かけるときには暑くても、上着をもって出かけたほうが安心できますよ。

スコールの雨は激しいですがすぐに止むので、無理に外に出ていくよりも、どこかで雨宿りしてスコールが過ぎるのを待つのがおすすめです。雨なら雨でゆっくり過ごすのも、奄美大島らしい時間の使い方かもしれません。

また、注意してほしいのが台風。8月の後半から9月にかけての台風シーズンには、内地では経験したこともないような勢いの台風を体験するかもしれません。

台風の日には、フェリーが欠航になるのはもちろん、島内の観光施設や飲食店が休みになることもしばしばあります。せっかくの旅行、できる限り観光したいという気持ちは分かりますが、安全のため、台風の日は基本的には出歩かないようにしてください。

「お酒や食べ物を買い込んで、部屋で飲む。そしてラジオのあまみエフエムを聞いたりおしゃべりをして笑う!これが台風の日のおすすめの過ごし方です。」と恒吉さん。

また、台風のため飛行機が飛ばないこともあります。夏場の航空券は、ちょっと高額になっても、日程変更可能な便を選んでおいた方がいいかもしれません。

 

イメージを膨らませ、事前の計画で奄美大島旅行を満喫!

奄美大島は、1日では見切れないほど広く、観光スポットが島のあちこちに点在しています。しかし、レストランやホテルがある場所はある程度かたまっているので、ある程度旅の計画を立てておかないと、お腹が空いたのにしばらく何も食べられる場所がないということにもなりかねません。

「奄美大島が小さな離島だと思い込んだままなんとなく来てしまうと、思うような観光ができないまま帰りの飛行機に乗ることになるかもしれません。例えば海を見たいなら、どんな場所でどんな風に眺めたいのか、イメージと計画を立てておくと理想の旅行ができますよ。」と恒吉さん。

自然体験から文化体験まで、さまざまなアクティビティや観光を楽しめる奄美大島。旅行を満喫するためにも、この記事でご紹介したコツと注意点を意識して計画を立ててみてくださいね!

 

この記事を書いたフォトライターPHOTO WRITER

大阪出身、26歳で奄美大島へIターン。大学在学中はチリ、スペイン、アメリカに留学し、中南米の6カ国28都市をバックパッカーとして周遊。その後新卒で不動産広告のITベンチャー企業に就職し、トップセールスを獲得する。美しい海に憧れて奄美大島に移住した現在は、フリーライター、ブロガー、通訳士(スペイン語・英語)、アフリカンダンサー、予備校など多方面で活動中。地酒の黒糖焼酎が大のお気に入り。

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