カラフルでトロピカル!おいしいだけじゃない”三方ヨシ”なジェラート「Tropica Amami」

島モノ

2021/10/29

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藤原 志帆

ドラゴンフルーツとパッションフルーツ、たんかん、白ごまやハチミツ…。カラフルでトロピカルな奄美大島や喜界島、沖永良部島などの素材を贅沢に使ったジェラート「Tropica Amami(トロピカ・アマミ)」。

こだわりの食材を丁寧に加工したなめらかな口どけのジェラートは、実はその製造の仕組みにもこだわりがあります。「Tropica Amami」を作っているのは、奄美大島北部の龍郷町大勝(たつごうちょうおおがち)にある障害者就労施設あまみん。ジェラートを楽しむ消費者だけでなく、障害を持った方や近隣農家さんもハッピーな「三方ヨシ」の生産の仕組みについて伺ってきました!

Tropica Amamiってどんなジェラート?

「Tropica Amami」は障害者就労施設あまみんの食品加工部門のブランドで、奄美大島のマンゴーや月桃、喜界島の白ごまやハチミツ、沖永良部島の塩やコーヒー豆など、素材を活かした13種類のジェラートを展開しています。

ただおいしいジェラートを作るだけではありません。「Tropica Amami」ができるまでには、近隣農家さん・障害を持ったあまみんの利用者さん・ジェラートを楽しむ消費者の誰もがハッピーな「三方ヨシ」の仕組みがあるんです。

あまみんでは近隣農家さんのお手伝いを行い、労働対価としてお金ではなく果物をいただいています。障害を持ったあまみんの利用者さんたちを中心としたチームでその果物をジェラートに加工・販売しているんです。

この仕組みによって、ジェラートの加工作業をする障害を持った方々は収入を増やすことができ、農家さんは金銭的負担なく生産の質を上げ、ジェラートを買う人は自宅でも奄美大島の南国フレーバーのジェラートを堪能できるように。みんなが笑顔になれる仕組みを経て「Tropica Amami」が製造されています。

障害者就労施設あまみんを運営する株式会社リーフエッヂの代表取締役、田中 基次(もとつぐ)さんにお話を伺いました。

「あまみんでは、障害があって一般企業への就職が難しい方に農業分野で活躍してもらい、継続して就労の機会を提供する農福連携に取り組んでいます。福祉事業所ですが、きちんと商品力があり、求めて買ってもらえる商品を作ることを大切にしているんです。僕自身は、人を雇いたいから仕事を作っているという感覚で取り組んでいます。」

作業療法士でもある田中さん。自然に囲まれた環境の中、あまみんで生き生きと活躍する利用者さんたちの中は、週に数回リハビリに通うよりも早いペースで身体機能が回復する人もいるとのこと。

「あまみんの中には、利用者さんがしんどくなったらいつでも休憩できたり、1人になって落ち着けるスペースもたくさん用意しています。利用者さんには体調を崩しやすい人もいれば、集中して作業をするのが苦手な人もいるため、作業を振り分けてあまみん全体としてジェラートやハーブティーを作っているんです。今のジェラート室は増築して広い作業スペースを作ったのですが、それは前の作業室が狭くて圧迫感があるという利用者さんの声も反映しました。積極的に意見を出してもらいながら、働きやすい環境を作っています。」

おいしいジェラートやハーブティーを作って販路を増やすのはもちろん、利用者さんの体調やスキルアップへの取り組みも第一に考えて取り組んでいらっしゃるのがとても伝わります。

ジェラート室にお邪魔しました!

今回、ジェラートの加工現場を見せていただきました!

あまみんのジェラート室では、ジェラートチームが1つのフレーバーをだいたい月に1度、1回につき約8,000gの量を製造しています。この日作っていたのは、喜界島産のごまをたっぷり使った「喜界島白ごま」のジェラートです。

国産のごまは日本で食べられているごまの0.1%ととても貴重。そんな国産のごまの香ばしい風味をそのままジェラートに活かすため、その日の朝に焙煎するなど、素材にも作り方にもこだわって加工されています。

そして、そのこだわりはジェラートを製造する機械を見ても分かります。

ピカピカにお手入れされたこのジェラート製造機は、ジェラートの本場イタリアでシェアNo.1の老舗メーカーのものなんだそうです。なんだかお高そうな機械…!

田中さんは、いつもおいしい均一な味を出すために、機材はいいものを揃えるのが大事だと教えてくれました。「福祉事業所で作っている商品でも、きちんとした商品力がある売れるべきものを販売したい。そのために、味にばらつきが大きい手作業ではなく、本当にいい機材を使って加工しています。」

ジェラートができたら容器に詰めていきます。これもピカピカの機械で量が均一になるよう入れ、すぐにフタをして、-30度の急速冷凍庫に入れていきます。

それにしても、みなさんテキパキと動いていますね…!連携作業もとてもスムーズで、困っている人がいると優しい声掛けもあり、キラキラした笑顔が飛び交います。こんなに明るい雰囲気で作ると、そりゃジェラートもおいしくなるよなぁ~!

急速冷凍庫に入れてすぐの出来立てのジェラートを特別にいただきました!まだ固まりきっていないのでふわふわと柔らかく、ごまの香ばしさが口の中に広がって、鼻から抜けていきます。

ん~!おいしい!最高です!

そう言うと、ジェラートチームのみなさんはとても嬉しそうに笑ってくれました。なんでも、食べてくれる人の感想を直接聞く機会があまりないのだとか。現在あまみんでは、施設の敷地内にイートインもできるジェラテリアを建設中です。ジェラテリアができて、お客さんがおいしく食べてくれるのを見れるのが楽しみなんです、と笑顔で話してくれました。

「今後は海辺のリゾートホテルなどにもジェラートやハーブティーを置いてもらいたいと思っています。」と田中さん。「ホテルを利用する観光客の方にも島の味を楽しんでもらえますし、こんなにいい場所で自分たちの商品を販売してもらっているということになれば、利用者さんのモチベーションにも繋がります。世界自然遺産登録を受けてシークワーサーなどやんばるのフレーバーも試作中で、これからも商品や販売場所を増やしていけたらと思います。」

Tropica Amamiの販売場所・ネットショップ

「Tropica Amami」のジェラートは、下記のネットショップや提携店舗にて購入可能です。ぜひ奄美の旅の中で、お取り寄せしてお家で、南国の味を楽しんでみてください!

◆ネットショップ

https://amamin578.base.shop/

◆奄美大島内の販売店

■奄美市笠利町

◇空港1F売店

奄美市笠利町大字和野374-4

0997-63-2251

◇空港2階F売店シートピア

奄美市笠利町大字和野374-4

0997-63-2251

◇まーぐん広場

鹿児島県奄美市笠利町里50-2

0997-63-1910

◇島人mart 笠利店

鹿児島県奄美市笠利町大字用安1240-4

0997-57-1120

◇ティダムーン

鹿児島県奄美市笠利町大字平1259−5

0997-63-0006

■龍郷町

◇ビッグ2

鹿児島県大島郡龍郷町中勝字奥間前580番地

0997-55-4100

◇Frasco

鹿児島県大島郡龍郷町大勝3114‐2

0997-69-4435

◇ネイティブシー

鹿児島県大島郡龍郷町芦徳835

0997-62-2385

◇ホテルカレッタ奄美

鹿児島県大島郡龍郷町芦徳419−1

0997-62-3821

■奄美市名瀬

◇123マート

鹿児島県奄美市名瀬入舟町10-8 1F

0997-57-6666

◇夢来夢来(むくむく)

鹿児島県奄美市名瀬小浜町24-8

0997-69-3005

■奄美市住用町

◇マングローブパーク

鹿児島県奄美市住用町石原478

0997-56-3355

◇三太郎の里

鹿児島県奄美市住用町大字摺勝555−13

0997-69-5077

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この記事を書いたフォトライター

藤原 志帆

藤原 志帆

大阪出身、26歳で奄美大島へIターン。大学在学中はチリ、スペイン、アメリカに留学し、中南米の6カ国28都市をバックパッカーとして周遊。その後新卒で不動産広告のITベンチャー企業に就職し、トップセールスを獲得する。美しい海に憧れて奄美大島に移住した現在は、フリーライター、ブロガー、通訳士(スペイン語・英語)、アフリカンダンサー、予備校など多方面で活動中。地酒の黒糖焼酎が大のお気に入り。

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