島の日常を垣間見る ノスタルジックな佐仁の夕暮れ散歩

島景

2016/04/21

ペン

泥ぬ マコ

奄美大島最北端の絶景サンセットに出会える集落、佐仁。

島の伝統的な郷土芸能、八月踊りが盛んな地として知られています。素敵なサンセットに出会うまでのひととき、なつかしさの漂う集落内をのんびり散歩してみませんか。

奄美、佐仁集落の路地

なつかしさ漂う集落内の夕方散歩

集落内は狭い路地が入り組んでいて、のんびりした空気が流れています。

シーズン中でも観光客の姿はあまりなく、地元の人の生活を垣間見ることのできる地域です。

狭い道や曲がりくねった道を進んだ集落の中ほどにあるのは、1本の大きなデイゴの樹。

奄美、佐仁集落のデイゴの樹

葉っぱがなく寂しい感じもありましたが、その大きさは堂々たるものでした。

集落内では原付に乗ったおじいちゃん、おかずの入ったボウルを抱えているおばあちゃん、犬の散歩をする人の姿も多く見られます。

ふとどこからか、魚を揚げる香ばしい匂いが。

花の甘い香りも漂っています。
佐仁集落は、道沿いにプランターを置いたり、庭で花を育てたりしている人も多い様子。赤、桃色、黄色、紫、などなど鮮やかな色彩の花々が咲き誇っていました。商店の前にもお花がたくさん。

奄美、佐仁集落のヒガシ商店

 

島ならではの光景がいっぱい

夕焼け小焼けのメロディとともにチャイムが響き渡ると、「わおーんわおーん」と犬が反応して、あちこちから遠吠えが聞こえます。

塀の上には、猫が3匹。近寄っても逃げようとせず、のんびりくつろいでいるようです。

奄美、佐仁集落ののんびりとした風景

キョロキョロしながら歩いていると、集落に響き渡ったのは夕読み放送。小学生の子供たちが、放送で本の朗読をするほほえましい時間です。
集落みんなで子供たちの成長を見守る、あたたかい気持ちが伝わるようですね。

 

海辺のおすそ分け

奄美、佐仁集落ノスタルジックな夕焼け

集落内から、少し上り坂になった道を進んでみると、視界に飛び込んできたのは水平線でした。海沿いの道に出ると、もう日はだいぶオレンジ色。

砂浜に下りて少し歩くと、貝殻やシーグラスがとにかく大きいことに気付きました。あまり削られておらず、原型をとどめているものがたくさん!

奄美、佐仁集落近くの海で拾った大きな貝殻

奄美大島北部の崎原ビーチや打田原ビーチ、土盛海岸や龍郷町の芦徳海岸などでは、こんな大きなサイズはあまり見たことがありません。
大物の貝を拾うなら、絶好のポイントかもしれませんね。

浅瀬で何かを獲っている人を発見したので、近づいてみると、おばが手にしていたのは、大きなシャコ貝でした。

奄美、佐仁集落の海で取れるシャコ貝

手のひらよりも大ぶりの立派な貝が、テル(島の方言でカゴのこと)にたっぷり入っています。

家で食べたり、親戚に配ったりするそうで、売り物ではないようです。
「へーすごい!」と眺めていると、よほど物欲しそうに見えたのか……4つもおすそ分けしていただいた上に、缶のお茶までもらってしまいました。

奄美、佐仁集落おばぁにもらったシャコ貝とお茶

 

海辺でぼんやり 贅沢な時間

そしてあとは、ただただぼんやりと沈みゆく夕陽を眺めるだけ。

佐仁集落の夕暮れ

この日は海面付近に雲が多く、海に沈みゆく夕陽を拝むことはできませんでした。
けれど、段々とオレンジが強くなる空と海を眺めていると、あれこれ考えていたことも忘れていきます。

穏やかな風と、静かな波の音。全身を心地よさが包み、ずっと座って佇んでいたくなる空間。

ちょっとタイムスリップしたような、なつかしい気持ちと、色んなことをとりあえず忘れてフラットになる感覚。
そんな空気を味わい、心がすっとリセットされる不思議な時間でした。

奄美の中でも少しディープな、佐仁集落の夕暮れ。
心洗われる時間を過ごしてみませんか?

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この記事を書いたフォトライター

泥ぬ マコ

泥ぬ マコ

ライター/編集。出版社・WEB制作会社を経て現在はフリーランス。ふらふらと辿りついた奄美大島で子育て中。PR記事や取材記事のほか、キャッチコピーや企画・構成・編集も請け負っています。泥ろぐ(https://doronumako.com)にも奄美情報ありますよー!

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