美しさに息をのむ。浴びるような黄金の花と夕陽を楽しむ奄美市住用サンセットコース

島景

2016/08/08

ペン

伊達 優

奄美、白い砂浜のある海

奄美大島では、早めの梅雨明けからギラギラの夏日が続きました。

7月初旬、空気は抜け通るように澄んでいて、海と空がその青さを競い合っています。

透明な空気は、海だけではなく森すらも包み込んでいて、木々の輪郭を際立たせています。

そのような最中、新しい夕陽スポットを求めて、奄美市住用町へ向かいました。

市街地の名瀬から国道58号線を南下すること約30分、奄美市役所住用支所のある西仲間集落の辺りまで進みます。

この辺りは、海辺から少し離れた谷筋に当たり、少し涼しいように感じます。

ここまで走る間に、各所で見かける鮮烈な黄色に目を奪われていました。

木に咲く黄色い花が、周辺の世界から浮き立つように見えていたのです。

 

停まって眺めてみると、ちょうど満開の時期なのだと分かりました。

近づいて良く見ていくと、どのような花なのか理解できました。

花の咲き方がまるでぶどうのよう、ゴールデンシャワー

花が連なるゴールデンシャワー

つぼみはブドウのように下にぶら下がっています。

一つ一つの花は、咲くと上を向こうとしています。

調べてみると、ゴールデンシャワーという名前の花でした。

満開のゴールデンシャワー

奄美、黄色い花が美しいゴールデンシャワー

日中は、この花を写しとめることにしました。

そろそろ陽が傾きかけてきたところで、夕陽ハンティングの再開です。

事前に目星を付けておいた、西に開けたポイントへ向かいます。

撮影し易い足場と、太陽へ向かう方角を合わせてポイントを絞り込みます。

およその撮影領域を押さえて、三脚を立てました。

 

太陽に向かって少し右手に、山を削る深い沢が、険しく降りていくのが見渡せます。

その流れに沿うように、小さな峰が折り重なっている姿に、奄美の森の懐を感じます。

だいぶ下方から伝わり届く沢音は、木や山肌にぶつかって散乱しています。

そこに無数の虫や鳥の歌声が包み込み、目前の空間を飾りたてています。

 

住用町は奄美大島の東部に位置するため、山越しに夕陽は沈んでいきます。

それは若い夕陽とでも言うのか、力強い光を放射しながら、山へと吸い込まれていきます。

山に沈む夕日、奄美住用

夕陽を撮影する間、その強力な光を存分に浴びながら、先ほど抱いたイメージと重なるものを感じました。

こちらで観る夕陽もまた、ゴールデンシャワーのように思えたのです。

山に沈む夕日、奄美住用

【ゴールデンシャワーを浴びるような住用町の夕陽スポットへの行き方】

名瀬から国道58号線を住用方向へ南下すること30分くらい、西仲間の住用支所の手前の道を左折します。すぐに道は引き返すように曲がります。なだらかな上り坂を進み、10軒ほどの民家を通り過ぎます。それから3.4分ほど、距離にして1kmくらい先の道路上が、この夕陽スポットとなります。陽が山に沈んだ後の残照を楽しむのも、おすすめです。

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この記事を書いたフォトライター

伊達 優

伊達 優

写真歴22年。沖縄に14年間在住の後、奄美大島へ移住して3年。ライフワークとして、海岸を題材とした写真作品を制作している。現在、分野を拡げてフォトライターとしても活動を展開中。 2011年、カフェ・アソシアにて二回目の個展“orbit”開催。seakayak~海を旅する本~vol.27~39に、記事&写真の連載。コミュニティFMニライの番組”Nature Human”にて、企画&パーソナリティを勤める。

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