バスで行こう!宇検村サンセットを見る旅
10月。奄美大島観光物産協会主催の絶景サンセットを堪能するバスツアーが、瀬戸内町・宇検村・大和村で開催された。
★第1弾「サンセットバスツアー瀬戸内町編」はこちらから→前編・後編
私は第2弾となる宇検村編に参加!
行程は以下のとおり。宇検村のメイン観光スポットを抑えて、村一の絶景スポットで宴会芸&黒糖焼酎&島じゅうりを楽しむという趣向。
乗り込む島バスは、本場奄美大島紬柄。さあ、出発~!
片道1時間→宇検村湯湾へ到着
名瀬を出発し、奄美市住用町を通って一路宇検村へ。片道1時間の道のりはバスガイドさんの次から次へと飛び出す奄美解説&豆知識で、飽きることがなくあっという間。バスガイドさんってすごい。プロだなあ。
最初の目的地、宇検村湯湾のうけん市場へ。
小さな店内には、村内の生産者らが持ち込む物産が盛りだくさん。
ビタミンカラーの島唐辛子に目を奪われる。ほかにもシブリ(冬瓜)やパパイヤ、島南瓜、ミカンなどが生産者の名前つきで販売されている。加工品も安くておいしそう。
ほっこり元気になれるこのお店が、私は大好き。宇検村にくると必ず立ち寄る。この日は試食しておいしかったポンキツを購入して、お土産にした。
愛ちゃんの卓球グッズに興奮!
次は近くの村営施設「元気が出る館」へ。
突然卓球台がでてきたので、なにが始まるのかとやや警戒していると、これは、オリンピック前に宇検村で合宿をしたという卓球選手・福原愛さんのサイン入り卓球台&ラケットなのだという。
すごい・・・!メッセージに心がこもっている気がする。早速ツアー参加者が愛ちゃんになりきって卓球を楽しんでいた。誰でも使えるらしい。
つづいてお隣の民俗資料館へ。こちらは村内のユタ資料や海底遺跡の資料などが展示されている、意外と知られていないスポット。特にユタ資料が充実していて、圧巻。
宇検村が抱える深い文化・歴史の一端に触れることができる。まだの方はぜひ一度お立ち寄りを。
湯湾岳の麓でつくる、ゆるりとおいしい黒糖焼酎でほろ酔い
少々バスで移動し、黒糖焼酎の酒蔵、開運酒造へ。こちらの代表銘柄は、ご存知大人気銘柄「れんと」。
音楽用語である「れんと」の名を配したこの焼酎、最大の特徴は醸造過程にクラシック音楽を聞かせるという「音響熟成」にある。まさにその音響熟成中のタンクに耳をつけてみると・・・・
音楽に共鳴して振動が!この微細振動がおいしさの秘密なのだとか。
そして試飲&販売コーナーでは全銘柄の試飲OK。バス旅ならではの解放感で堪能させていただいた。ここでしか販売していない幻の焼酎もあるので、ぜひお試しを。
宇検のなかの宇検!集落散策
少々アルコールが入り、心地よくバスに揺られながら次の目的地・宇検集落へ。
知らなかったが、宇検集落にはかつて村役場が置かれ(現在は湯湾集落にある)、長い間村の中心地として栄えたのだいう。
少しずつ日が暮れてきた。車窓から見るやけうち湾は本当に美しい。心がしん、と静かになる。
宇検集落では、元区長さんといっしょに集落内を散策。ディープなお話をたくさん聞くことができた。ありがっさまりょーた!

集落奥の高台に設置されたダンナ墓群。古い古い、集落民の墓がずらり並ぶ。墓は古いが足元はきれいに管理されていた
見れるのか?!絶景夕日
さあ、いよいよメインイベント。峰田山公園からの絶景夕日!しかし雲行きが怪しい・・・
峰田山公園につくと、空はどんより曇っているので、あわてて風景を写真におさめた。いつきてもここの眺めはすばらしい。
しかしこのあと、すぐに雨が!!!
やむ気配など一切なく、仕方ないので宇検集落の公民館に舞台を移すことに。
まごころ島じゅーり&宴会芸を堪能
公民館に到着。ここでは島じゅーりと黒糖焼酎を堪能しながら”宴会芸”の鑑賞タイムとなっている。
宇検集落の地域女性グループが作ってくれたというお弁当が出てきた!
油そーめんにモズクのてんぷら、パパイヤの炒め物、魚のから揚げにゴーヤの酢の物、豚味噌・・・そして、ソテツのお粥!
口にすれば、すぐにわかる。
どれこもこれも、どうすればシマの素材がおいしくなるかをよく知っている人たちが、丁寧に手間ひまをかけて作ってくれている。本当においしい。疲れた心と体にぐんぐんしみこむ。
本当のごちそうって、こういうものなんじゃないかな・・・と感じ入っていると、始まった!宇検村が誇る宴会芸人・イカリング隼人さんの登場。
鉄板の相撲ネター!
そのシュールさは筆舌に尽くしがたく・・・島料理、島酒がさらにおいしくなるイカリングさんの余興芸♪ ありがっさまりょーた!
景色よりもなによりも、印象に残るのは人のよさ
すべての行程を終えて帰路につくなか、今回のツアーを振り返ってみると、まず思うのは、この日出会った人たちの人柄のよさ、宇検村の時間のやわらかさ。
ほのぼのとした雰囲気と会話、笑い声が心にしっかりと残っている。
美しい景色とおいしいお酒と食事は、それを引き立たせる背景だったのだと思う。

宇検公民館を出るときにいただいたお土産。手作りふくらかんとよもぎ餅が入っていた
つくづくと、「島の良さ」を実感した今回のツアー。
本当の魅力と、財産は何なのか、改めて思い知らされた気がする。
この記事を書いたフォトライターPHOTO WRITER
麓 卑弥呼
麓 卑弥呼さんが書いた他の記事を見るライター/しーまブログ編集長。東京都出身。大学時代に訪れた与論島にはじまり、縁あって奄美大島の新聞社に新卒で就職。さらに縁あって島人と結婚し、自らが島人となり奄美に完全に根を下ろす。フリーライターなどを経て2014年にしーまブログに入社し、現在に至る。