休校中の中学校で作られる、完全無農薬のハーブティー「太陽の島カフェ しりたむんきゃ」

島モノ

2016/03/08

ペン

三谷晶子

しりたむんきゃの女性達

現在、休校中の加計呂麻島・薩川中学校の元給食室。そこで島のハーブを使って、ハーブティを手作業で作っている女性たちがいます。

島にもともと自生する月桃やグアバを使った、添加物なし、香料なしの完全無農薬のお茶です。

お茶の製造

摘み立てのみずみずしい月桃は、乾かしたあとに手作業で焙煎。銅鍋を使うことで、香ばしさがより増すのだとか。

グアバには血糖値が下がる効果、便秘対策、ダイエット効果があると言われており、月桃は赤ワインの34倍ものポリフェノールが含まれていて、抗酸化作用が期待できるそう。アロマ効果で癒されます。

月桃の葉

グアバ茶も月桃茶もそもそも島では昔からごく普通に愛飲されてきたもの。
現地では生の葉を天日干しで乾燥させて煮出すことが多いのですが、島外の人に味わってもらうには葉をそのまま渡すわけにはいきません。けれど、ご縁があって島に訪れた人や島に現在いない人にも、この味を楽しんでもらいたい。そんな気持ちから、しりたむんきゃのハーブティーが生まれました。

こちらを作ることになったのは、一緒に畑を借りて農作業をする、Uターン、Iターンの女性たちの集まりから始まったそう。
島のお年寄りに、永年培ってきた植物に対する知識を教えてもらいながら、見よう見まねで農作業をしているうちに、「島のおみやげを作りたいね」という話になったそう。

その時、島のお年寄りに「しりたむんきゃ」と言われたことから、「太陽の島カフェ しりたむんきゃ」の名前が決まりました。

「しりたむんきゃ」という島の方言は未熟者という意味合い。
親が子どもに対して愛情をこめて使うことが多いのだとか。

先人たちの歴史と背中を見つめて、常に謙虚で、知らないことを多く学んでいきたいという思いで命名しました。

現在はハーブティーの製造のみですが、ゆくゆくは島でカフェを開きたいと考えているそうです。

月桃茶とグアバ茶3個入り

ティーバッグ3個入りのちょっとしたお土産にぴったりなセットは月桃茶(左)が300円、グアバ茶(右)は240円。

手頃な価格で、気軽に持ち運べる大きさで、島の素材を生かしたものを作りたい。
パッケージや中身も島に住む女性たちで試行錯誤を繰り返しました。

茶葉がしっかり開くテトラ型のティーバッグを使用し、パッケージ袋もガスバリア性、防湿性、遮光性があり、茶葉の品質が劣化しにくい自立可能な袋に。
パッケージの色も、ライトグリーンとオレンジ色を使用し南国のお土産らしく、表のイラストは加計呂麻島をイメージして素朴で親しみやすいイラストを使用。
10個入りの大袋の裏面にはお茶の淹れ方や加計呂麻島の説明をいれました。

月桃茶とグアバ茶10個入り

こちらは10個入り。月桃(左)が720円、グアバ(右)が540円。

お茶屋のパッケージに入った月桃茶とグアバ茶

かわいらしいお茶屋さんのパッケージに入ったセットも。こちらはグアバ、月桃が3個ずつ入って480円。

訪れる観光客には新鮮で、島に住む人々は、なつかしいと言う味。

ご近所や、家族、職場の方に。島の思い出を、あなたから手渡してみては?

《特産品の詳細は のんびり奄美にて掲載中!》

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この記事を書いたフォトライター

三谷晶子

三谷晶子

作家、ILAND identityプロデューサー。著作に『ろくでなし6TEEN』(小学館)、『腹黒い11人の女』(yours-store)。短編小説『こうげ帖』、『海の上に浮かぶ森のような島は』。2013年、奄美諸島加計呂麻島に移住。小説・コラムの執筆活動をしつつ、2015年加計呂麻島をテーマとしたアパレルブランド、ILAND identityを開始。

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