奄美でしかできないことを住用の民泊で体験!【前編】郷土料理づくり

島宿

2017/12/18

ペン

勝 朝子

奄美大島の中部に位置する奄美市住用町(すみようちょう)。国内2番目に大きいマングローブなど豊かな自然環境を有するエリアです。

そんな住用町で2017年から「体験民泊」が始まっているとのことを聞き、早速伺ってきました。

住用町ヤムラランドの受付

【NPOの担当古薗さんに料金をお支払い】

中心市街地の名瀬から車を走らせて15分ほど。海沿いにある「内海バンガロー」管理棟に、民泊の管理業務を行なっているNPO法人すみようヤムラランドの事務所があります。

現在は、住用町内の4軒のお宅が体験つき民泊を行っています。このなかから、今回は奄美の島唄を体験できる「ほぉらしゃ家」にお世話になることにしました。

住用町下役勝のバス停

【住用町下役勝(しもやくがち)という集落の中に宿はあります】

「内海バンガロー」で「ほぉらしゃ家」のオーナー満 香恵子(みつ かえこ)さんとご対面。車を先導していただいて、宿がある下役勝という国道58号線沿いの静かな集落に向かいました。

住用町ほぉらしゃ家の満さん

【元保育士の満さんはやさしくて気さくな方です】

ほどなく到着した「ほぉらしゃ家」は、民家が持つ気取らない心地よさと、オーナーの気配りが行き届いた素敵な内装。

旅で訪れた方をもてなそうとテーブルセンターや障子のアクセントには伝統の奄美大島紬。飾り棚には島唄で使う三味線や貝殻。奄美を感じるものが飾られていてとても綺麗です。

住用町ほぉらしゃ家の障子

【障子のアクセントに大島紬】

「移動で疲れたでしょうから」と、休憩を兼ねて満さんとお話しタイム。

出てくるお茶菓子はどれも満さんの手づくり。

よもぎ餅をクマタケランに包んだ郷土菓子「かしゃ餅」やパパイヤの漬けもの、そして揚げドーナツをいただきました。どれも自然な甘さと香りで、さっそく完食。事前に申し込めば、こうしたお菓子作りも体験できるそうです。

奄美のかしゃ餅とパパイヤの漬物

【左下:かしゃ餅 右上:パパイヤの漬物】

おいしいお茶とお菓子に、心もほぐれてくるのか、はじめてお会いした満さんと、親戚のお宅に遊びに来ているような感覚で話が弾みます。

宿を始めた理由や先日の台風の話、そして人口減少が進む集落の話などで盛り上がりました。一人で宿を切り盛りされていて、忙しい時には「何ではじめたんだろうね。」と思ったりもするそうです。しかしそこは体験民泊、「お客様との出会いがエネルギーの素」だと、明るく笑っていました。

 

「ほぉらしゃ家」ではお菓子づくり体験など、さまざまな体験メニューが楽しめます。今回はそのうちの一つ「島唄・三味線体験(唄あしび)」に申し込み、参加しました!

その様子は「奄美でしかできないことを住用の民泊で体験!【後編】浜辺で焚火を囲む唄あしび」でお伝えします。

住用町「ほぉらしゃ家」ジマメ豆腐作り

【落花生でつくるジマメ豆腐教室】

さて、唄あしびを終え、浜から帰ると夕食の準備がスタート。今回はジマメ(地豆)豆腐作りを教えていただきました。

水に浸けて皮をむいたピーナッツをミキサーにかけてからしぼり、片栗粉とともに鍋に投入。火にかけてぐるぐるとかき回し続けます。

「かき回すのが大変なのよ!」と言われた通り、サラサラだった液体がネットリと重くなり、ピーナツのいい香りがするジマメ豆腐の完成。

住用町ほぉらしゃ家の鶏飯

【郷土料理の鶏飯を盛り付ける】

かき揚げも一緒に作り、あとはメインの鶏飯タイム。すでに具材は準備していただいていたので、お椀に盛り付け、満さん自慢の鶏まるごとのだしスープをかけて、さあ、いただきます!

鶏飯のスープはお店によっても、家庭によっても違います。満さんのスープは干しシイタケの戻し汁、にんにく、長ネギ、生姜などを入れた深い味わいのスープで、思わず3杯もおかわりしました。

住用町ほぉらしゃ家の夜ご飯「鶏飯」

【黒糖焼酎もいただきながらの夕食】

テーブルいっぱいに並べられた御馳走は奄美黒糖焼酎の水割りと一緒に。

満さんを交えて一緒に泊まった皆といろんな話をしながら、夜は更けていきました。

住用町ほぉらしゃ家の朝ご飯

 

【朝からもりもり朝ごはん】

南国奄美でも11月に入ると朝晩は少しひんやりします。満さんのお宿は集落の一番奥にあるので、とても静か。朝は美しい声の小鳥アカヒゲや、季節の渡り鳥サシバが鳴いていました。奄美は山も素敵です。

たっぷりとバランスのよい朝ごはんを満さんと一緒にいただきました。

住用町ほぉらしゃ家看板

ほぉらしゃ家での今回の宿泊は、盛りだくさんでとても楽しい体験でした。一人旅の方にもおすすめです。

満さんはこのお宿を始める前は、保育士としてずっとお仕事をされていたそうです。小さなお子さんのいらっしゃるファミリーのみなさんも安心して宿泊や体験をできると思います。

観光旅行ではなく、奄美で暮らすように旅をしてみたいと思ったら、「ほぉらしゃ家」でいろいろ体験してみてはいかがですか?

 

NPO法人すみようヤムラランド : https://yamuraland.org/

奄美市住用町の体験民宿 「ほぉらしゃ家」 : https://www.horashaya.com/

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この記事を書いたフォトライター

勝 朝子

勝 朝子

Webクリエイター、ITサポーター、奄美大島紬のポケットチーフ「フィックスポン奄美」代表。東京出身。縁あって奄美大島出身の夫と結婚。以来毎年奄美大島を訪れ、2012年奄美大島に移住。奄美の自然、人、文化、食べ物が大好きで、島の隅々まで日々探検中!

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