雨の日は「ラスベガス」へ。奄美唯一のボウリング場は、島随一のレトロ空間

奄美大島で雨の日に出会ったら、何をして過ごしますか?

ドライブやアウトドアなどの遊びはちょっと厳しい。
奄美の梅雨は長く(1か月以上)、実は冬場も天気のコンディションはあまりよくないことが多く、北風が強いのが特徴的です。

せっかくのお休みに、さぁ、なにする? どこへ行こう?

悩んだときは、奄美の「ラスベガス」に行ってみませんか?

ラスベガスは、島でただ1軒だけのボウリング場。とびきりレトロでほっこりくつろげる、素敵な社交場「ラスベガスボウル」をご紹介します。

 

レトロにしてキュート。

奄美ボーリング場内レトロな雰囲気
年期の入った国産ボウリングメーカーodin(オーディン)社製の設備が残る、全国的にみても貴重なボウリング場です。
最近の大手ボウリングチェーン店とはひと味違います。

大音量で流れるBGMはありません。
スコアやピンを映し出すモニターはありません。
スコア計算は自分たちで手書きします。
でも、おしゃれな色使いに、なんだかテンションがあがりませんか?
若い人たちには目新しく、ある程度の年齢の方には懐かしい・・・。

何というか、奄美の雰囲気にぴったりな、そんなたたずまいの空間です。

 

このラスベガスを経営するのは積さん夫婦。

ボウリング場を始めて40年近くなるそうです。

奄美ラスベガスオーナーの積さん

オーナーの積憲昭さん(左) は、81歳に見えないぐらい元気!いろいろお話もしてくださいます。

積さんによると、いまでは島唯一のボウリング場となってしまいましたが、かつてはボウリングブームで2つのボウリング場があったそうです。

もともと大のボウリング好きだった積さん。
若いころから休日のみならず仕事終わりにもボウリング場通いをするほど熱中。それが高じて、鹿児島県代表のチームメンバーとして全国大会に参加し、グループ戦で全国一位になった経験もあるのだとか。

しかしブームが落ち着くとその2つのボウリング場は閉店。一方、布団と家具の販売をしていた積さんは、経営が難しくなってきたことや人とも出会いもあり、運命のように、大好きなボウリング場を始めることになったと、話してくださいました。

 

つづけて一番気になるところを質問!どうして「ラスベガス」という名前なんですか?

「娯楽の殿堂と言えば、アメリカのラスベガスでしょ?だから名前に『ラスベガス』と付けたんだよね。
以前は同じ建物で、ビリヤード、カラオケ、スカッシュ、卓球、パターゴルフもできるようにしていたんだよ。カラオケボックスはうちが島内では先駆けてつくったんじゃないかな。」

名瀬の街中に掲げられた大きな「ラスベガス」の看板。華やかな遊技場として、当時とても目立ったのではないでしょうか。

 

なぜか落ち着く、みんなの憩いの場

奄美ラスベガスオーナー積さんと話す女性

積さんは、ゲーム中のお客さんに付き添って、投げ方のコツをアドバイスをしてくれます。もちろんスコアの付け方も教えてくれます。なので、なんの不安もありません。スコア計算は頭の体操にもなりますしね。

ボウリングを初めて体験する小さい子供たちにも、優しく教えてくれます。

ボウリングを楽しんでもらいたいから、子供の日には「ミニトロフィー」をプレゼントされていたとのこと。ボウリング愛があふれています。

しかし私自身は頻繁にボウリングをするわけではないので、お客さんはいるのかなぁ?経営は大丈夫なのだろうか??などど、余計な心配をしてしまいますが・・・。

奄美ラスベガス場内の棚にある客たちの荷物

はい、余計なお世話でした。

ボウリング場の一角には、ボウリングを愛する島人たちが、マイボール・マイシューズを預けておけるコーナーがあり、ボウリング熱を感じます!!

お客さんも、大島支庁(鹿児島県の出先機関)や、団体、病院、会社の親睦会・スポーツ大会でよく利用されているとのこと。大きい団体になるとみんな一斉にはできないので、日を分けて実施してもらうこともあるのだとか。

ちょっと安心しました。

奄美ラスベガスでボーリング楽しむ客たち
取材時、テニス合宿で来島している大学生たちが来ていました。
「今日は練習が休みの日。雨だから外で遊べないし。ホテルの人に教えてもらってここへ来ました。」とのこと。
ほらね、雨の日はやっぱり「ラスベガス」です!

実は、合宿で来島するスポーツ選手も息抜きに遊びに来ることがあるそうです。

さらには、懐かしいodin社のボウリング施設を求めてわざわざいらっしゃる旅行者もいるんですって!まさに知る人ぞ知る「ラスベガスボウル」。

こんな場所が奄美大島にあったなんて!と興奮気味に取材はつづきます。

 

久しぶりにやってみよう!

ところで、皆さんはボウリングへよく行きますか?
私は最後に行ったのは、恐らく7、8年前。
いいスコアも出せないだろうし・・・そんな私でも楽しめるのかな?ということで、友人を誘ってやってみました。

奄美ラスベガスでボーリングを楽しむ

成績よりも もっと嬉しいことがあるボウリング効果

奄美ラスベガスでボーリングを楽しむ
私たちの結果は・・・はい。ボチボチでした。これはしょうがない。
友人一同、久しぶりのボウリングでしたから。
でも、気づいたんです。
成績はともかく、なんだか笑顔になる。

ピンをたくさん倒せれば嬉しいです。
でもそれ以上に笑顔になれる瞬間が何度もあることに気づいてしまいました。
それは、ボールを投げようとするときに背中にかけられる声援。
「がんばれ!」「いけるよ!」

一投ごとに皆で盛り上がる。
「すごーい!」「おしいっ!!」「ガータ掃除!」

スペアやストライクが取れた時のハイタッチ。
「やったねー!」「いぇーい!」
奄美ラスベガスでボーリングを楽しむ
大きな声を出して応援したり、応援されたり。

一緒に一喜一憂したり。

ましてやハイタッチなんて、仕事でも日常生活でもなかなかありませんよね。

なんだろう?この高揚感とグループの一体感・・・。
きっとこれがスポーツの効果。
そして誰もが出来る、ボールを投げてピンを倒すという、とてもシンプルなボウリングの楽しさなのではないでしょうか。
ぜひテンションを上げて、はしゃぎましょう!

さあ、雨の日はラスベガスへ。

いやいや、

降っても晴れても、奄美大島の「ラスベガス」へどうぞ。

奄美ラスベガスを外から見た光景

※不定休なので、一度電話して確認してから行くのがベスト。事前予約をすればなお良いです。
※年代物のボウリングの機械。時折止まるのはご愛嬌です!
※ボウリング場後継ぎも募集中です!

ラスベガスボウル

奄美市名瀬鳩浜町84-1
電話:0997-53-3800
営業時間:14:00~22:00

この記事を書いたフォトライターPHOTO WRITER

「島は水の循環が目に見える場所。海で雲が生まれ、その雲が島の山にぶつかって雨を降らす。雨は川になり、滝になり、海にそそぐんだよ。」と知人が語った言葉が気になって、2016年に奄美大島へ移住。音楽と散歩と黒糖焼酎と竹細工収集が趣味。

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