木やハーブ、フルーツを使った奄美大島ならではのドリンクを飲みに行こう!

島食

2018/10/28

ペン

田中 良洋

奄美大島のスーパーで写真のようなものが売られている光景を見たことはありませんか。

奄美伍郷商店クビキ茶

 

ネットに入れられた木の束。一見しただけでは何に使われるか分かりません。薪にしては小さいし、置いとくと消臭効果でもあるのかな?なんて考えてしまいます。

“クビ木”

というのもあまり聞きなれないので、なぜスーパーで売られているのかと思った人もいるのではないでしょうか。

実はこの木、お茶になるんです。通常、お茶と聞くとお茶の葉を煮出して作ると思いますが、奄美大島ではクビ木を煮出してクビ木茶を作って飲む習慣があるのです。

 

クビ木茶が飲めるお店、奄美伍郷商店へ

奄美伍郷商店外観

 

どうやって木からお茶ができるのか、どんな味がするのか。

クビ木茶のことを知るために奄美市名瀬市街地にある奄美伍郷(ごごう)商店にやってきました。

奄美伍郷商店店内

名瀬郵便局近くの交差点にあるこのお店は、クビ木茶だけではなく奄美群島のお土産を取り揃えています。購入した食べ物やドリンクを座って飲めるスペースもあります。Wi-Fiも通じているので、名瀬の街を散歩するときの休憩スポットにちょうど良いお店です。

 

クビ木茶ってどんなお茶なの?

クビ木とは、正式名称を「ツルグミ」と言います。奄美大島にだけ生えている木ではなく、関東より南ではどこでも生えている木です。しかし、煮出して飲むのは奄美大島をはじめ、加計呂麻島、徳之島だけです。

作り方は普通のお茶と同じで、お湯の中に木を入れて煮出すだけ。木4、5本で1リットルのお茶が作れます。しかもこのクビ木、1回使ったら終わりではありません。取り出して再利用が可能なので、合計で2リットル煮出せます。

島の人は濃くして飲むのが好みの人も多いようです。お好みの濃さを探してみてください。

奄美伍郷商店クビキ茶

出来上がりは薄いピンク色をしています。

木のお茶というと味の想像がつかないと思いますが、さっぱりしていて飲みやすく、ほんのりと感じる木の皮の香りが気持ちを落ち着かせてくれます。

奄美伍郷商店クビキ茶

クビ木茶は自然治癒能力を高めてくれると言われています。

ある人が指に深い傷を負い、医者も諦めるほどの傷だったのですが、クビ木茶を飲み続けて回復したと言われるほどです。奄美大島では昔、裸足や草履で歩いていたので足を怪我することが多かったので、クビ木茶が重宝されたそうです。

他にも冷え性や高血圧、風邪予防にも効くと言われています。しかし、奄美大島でしか飲む習慣のないお茶なので成分が分析されているわけではありません。昔から受け継がれているお茶なのです。

人によっては、煮出した後の木をお風呂に入れることもあるようです。奄美伍郷商店では、宇検村に生えているクビ木を使ってクビ木茶を提供しています。

※現在(2020.02.24)、くび木茶の提供は行なっていません。

 

奄美大島では他にもハーブティがたくさん

奄美伍郷商店ハーブティ

奄美大島では、ハーブティもよく飲まれています。たとえば月桃というハーブを使ったハーブティがあります。

月桃とは、東南アジアにしか咲かないショウガ科の植物です。とはいえ、ショウガのような辛味はなく、無味です。抗菌作用が高く、奄美大島ではかしゃもちというお餅を包むのに使われています。

ポリフェノールが多く含まれており、脂肪吸収、ガン抑制に効果があるそうです。香りがおだやかなので、リラックス効果もあります。

 

島ならではのドリンクが楽しめるお店

奄美伍郷商店トロピカルドリンク

他にも島のフルーツをふんだんに使ったドリンクが楽しめます。写真は左から、すもも、パッションフルーツ、ドラゴンフルーツです。季節ごとに旬の果物を使い、南の島を感じられる爽やかなジュースとなってます。

旅行の楽しみは、その土地でその時期に一番おいしいものを味わうことですよね。ここでは気軽に旬のフルーツを楽しめます。

奄美伍郷商店黒糖焼酎サーバー

ジュース以外にも、奄美群島でしか味わえないドリンクの代表格、黒糖焼酎も飲むことができます。軽く一杯だけ飲むこともできますので、ふらっと寄って焼酎片手に街を散歩してみるのもいいと思います。

夏の暑い日に旬のフルーツジュースで喉を潤したり、街歩きの休憩でクビ木茶やハーブティでリラックスしたり、ちょっと早めの晩酌を始めたりと、いろいろなタイミングで奄美大島のドリンクが楽しめる奄美伍郷商店。名瀬の街を訪れた時はぜひ立ち寄ってみてください。

奄美伍郷商店:トロピカルジュースを飲む女性

 

《飲食店の詳細は のんびり奄美で掲載中!》

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この記事を書いたフォトライター

田中 良洋

田中 良洋

映像エディター/予備校スタッフ 兵庫県出身。奄美群島の文化に魅かれ、2017年1 月に奄美大島に移住。島暮らしや島の文化を伝えるために自身のメディア、離島ぐらし(https://rito-life.com/)を運営する。

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