【島ジューリ漫画|vol.4】クーニャとはなんですか?

島コト

2019/03/06

ペン

才木美貴

うがみんしょーらん。

私は瀬戸内町地域おこし協力隊の才木と申します。趣味のイラストや漫画を使い、奄美のおいしい島ジューリ(島料理)を、私なりの視点から全6回でご紹介させていただきます。

■島ジューリ漫画(全6回)■

【島ジューリ漫画|vol.1】奄美の郷土料理といえば『鶏飯』は外せないの!?
【島ジューリ漫画|vol.2】奄美の家庭料理ニムンとは?
【島ジューリ漫画|vol.3】シマッチュはやっぱり落花生が好き!
【島ジューリ漫画|vol.4】クーニャとはなんですか?
【島ジューリ漫画|vol.5】アンダギーといもてんぷら
【島ジューリ漫画|vol.6】これがホントの島の味コーシン

 

第4回目の島料理は、「クーニャ」をご紹介します。

教えてくださったのは瀬戸内町の網野子(あみのこ)集落のご婦人の皆さんです。


 

クーニャ、クィニャ、クイナ?鳥じゃないですよ

皆さんはクーニャとは何かわかりますか?場所によってはクィニャと言ったりしますが鳥のクイナのことではありません。
クーニャって何?のイラスト

「クーニャ」とは海藻のこと。またはこれを使った料理のことを「クーニャ」と呼ぶこともあります。
クーニャとは一体どんなものなのか・・・?説明するよりも見ていただいた方が早いでしょう。こちらです!

奄美大島で採れるクーニャ

アオサの収穫が終わる4月頃から採れるクーニャは、サンゴのあたりに生え、波打ち際に流れてきます。
一見、ただのゴミのようにみえてしまうかもしれません。

実際、波打ち際に流れてきたものはゴミも多く絡まっているので、食用にするには綺麗な川の水で半日くらい洗わなければなりません。

そうして乾かしておくと、なんと10年くらいもつとのことで、下処理したクーニャは保存食品として年中活躍するのです。

網野子の人達はクーニャを採りに奄美じゅうへ

そんなクーニャですが、網野子集落のある瀬戸内町では、今はほとんど採れません。

瀬戸内町は奄美大島の南の端に位置しますが、網野子の方はそこからわざわざ1時間半から2時間もかけて龍郷町や奄美市笠利町へとクーニャ採りに行くのです。

現地では名乗らなくても「網野子の人達が来たぞ」と言われるのだそうです。
「クーニャ=網野子」のイメージがつくほどに、頻繁に採りに行っていたんですね。

クーニャを採りにきた網野子の人

料理としてのクーニャはお祝いの席でならいつでも登場するものだとか。
なかには、クーニャを食べに島に帰省する人がいるほどで、網野子の人にとってはソウルフードとして愛されているのです。

くーにゃが大好きな網野子の人

クーニャのレシピはこちら

『材料』

クーニャ
魚のアラ(島ではソウジと呼ばれるカンパチがオススメ。)
ツナ缶
ニラ
生の落花生


味噌(だし入り)
白味噌(隠し味)
砂糖
だし粉(カツオ)
サクラエビやカニカマ(色味がきれいになる、なくてもいい、今回はなし。)

 

クーニャ料理で最も重要な『下処理』

クーニャは最低でも半日くらい綺麗な水で洗い、ゴミをとりのぞく。これを怠ると美味しくできないので、一番大事な作業です。

その上で調理直前にも入念にもみ洗いをする。

この時はクーニャ話をしながら、皆さんで手分けして作業してくださいました。

なかには、
「私はクーニャを海で見分けて採ることが出来ないのよ(採って来ている人には)関心するわ」

と話す方もいたり

「洗っていても、どれがゴミでクーニャなのかもわからないから、綺麗になっているのかもよくわからないの」

と話してくれたり、島っちゅにもクーニャは難しい食材だということがひしひしと感じられました。

クーニャの下処理の大変さもよくわかります。

クーニャの下処理

 

さて、いよいよ調理開始。クーニャ料理の『手順』

ニラを切る。

クーニャに使用するニラ

魚のアラを、魚がかぶるくらいの水を入れた鍋に入れる。
鍋がぐつぐついわないうちにアラをザルに上げ、もう一度同じ要領で炊く。この時あく取りをする。

鍋で煮ている魚のアラ

魚の出汁がとれたらひきあげ、骨と身をわける。

骨と身に分けられた魚のアラ

「昔は家庭訪問に来た先生にどの家庭もクーニャをお出ししていたから、先生に嫌がられていたね」とここでも、クーニャ話に花が咲きます。

 

鍋にくだいた生の落花生、油、酒、だし粉、砂糖を加える。この時もぐつぐつ煮ないようにする。

魚をほぐした身を加える。皮もいれるのがオススメ。美味しく仕上がります。
ただし、大きい皮は目立つので皮の脂(うまみ)をしごいてとりのぞく。

再び、ぐつぐつと炊く。

味見をしてから、味噌2種を溶き入れる。

ここで汁をボウルに少しよけておく。(あとで、クーニャを入れて水分が足りないときに調整用に取っておくと良い。)

よく洗い水切りをしたクーニャを入れる。とろっとしているが、次第にどろっとしてくる。

この時に水分が足りないようだったら、よけておいた汁を加えて調整する。

最後にニラを加える。サクラエビやカニカマがあるなら、ここで加える。

バットに移したクーニャ

熱いうちにバットなどに広げ、粗熱をとる。昔はバットがなかったので、サンバラ(竹で編んだザル)に広げていたそうです。

これを冷蔵庫で冷やし固める。

冷蔵庫で冷やして切り分けたクーニャ

適当な大きさにカットし、盛り付けて完成。お祝いの時にはひし形に切ってあげるそうです。

 

完成したクーニャ

せっかくなので網野子の海をバックに撮ってみました。

 

網野子の方いわく、少なくとも150年前から、お祝いの時に頂いていたクーニャ。

磯の香りがふんわりと漂い、カツオのうまみとお味噌の優しい味が口の中にひろがってお味噌汁に似た風味のお味です。

クーニャには主張する味はないようですが、落花生の甘みや他の材料のうまみを吸っていてお鍋の締めに頂く雑炊のような味わいもあり、思わずほっこりとしてしまいます。

触感は少し繊維質でゼラチンのような中にアクセントにニラや落花生がよくきいています。

「ここにサクラエビがあると風味も触感もいいのよ」と言われると、今度はそちらも頂いてみたいなと思ってしまうのです。まさか、あのゴミのように見えた(失礼!)クーニャをまた食べたくなるとは思ってもみませんでした。

初めて食べたのに懐かしい味の「クーニャ」。次は収穫体験からやってみたいですね。

 

 

 

おまけ~奄美のおやつ~

 

「ばんしろう」

奄美大島のばんしろう

グァバのこと。和名は、ばんじろう。島では「ばんしろう」と呼ばれることが多い。果実の色は赤、白。大きさも大、小あり、味わいもそれぞれ違う。庭木として馴染みがあり、大人になっても木からもいで食べる習慣が今も残っています。子どもの頃は種が苦手だったけど大人になってからの方が食べるようになったという話もあります。

あるご婦人は、「昔は缶ジュースがあり、それを敬老会の時に飲んでいたのだけど、今は見なくなってしまったねー」と少し残念そうに話されていました。懐かしい思い出の味のようです。

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この記事を書いたフォトライター

才木美貴

才木美貴

瀬戸内町地域おこし協力隊として情報発信ばかりしている主婦。2013年から主婦をしている割には、料理に対する苦手意識から手抜き料理ばかりの為、料理レベルが一向に上がらないのが悩みから諦めに移行中なのが悩み。2016年に風光明媚な瀬戸内町の蘇刈集落へ移住。「移住は奄美」をキャッチフレーズにコアな瀬戸内町の情報をSNSなどで発信。 HP:https://iju-amami.strikingly.com/ SNS:Twitter&Facebook&Instagram「移住は奄美」

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